キム・ヨングァン、『私を充電して』で取り戻したロコへのときめきを語る
写真: キム・ヨングァン — Explicit / CC BY-SA 4.0俳優のキム・ヨングァンが、10月9日にNetflixで全10話が一挙公開されたオリジナルシリーズ『私を充電して』(原題:나를 충전해줘)について、韓国メディア「ザ・ファクト」のインタビューに応じた。取材はソウル・鍾路区三清洞のカフェで行われた。久しぶりのロマンティックコメディー(ロコ)出演について、キム・ヨングァンは「ロマンスものへの気持ちがよみがえった感覚があった。やってよかったと何度も思った」と振り返った。現在撮影中の次回作もロコだと明かしている。
『私を充電して』はヘボン作家の同名ウェブ小説が原作で、脚本はソン・ユチェ、演出はパク・スウォン監督が担当した。キム・ヨングァンが演じるペク・ホランは、韓国最大手の大企業グループ傘下でリゾートを率いる財閥3世だ。何事も徹底した原則主義者で、完璧を求める性格をしている。胸の人工心臓のバッテリーが、グループ継承を目前に切れかけてしまう。相手役のナ・ボベ(チェ・スビン)はドラマ作家で、幼い頃に雷に打たれて以来、体に電気が流れている。ホランはボベに触れないと心臓を充電できないが、ボベはその能力のせいで人との接触を避けて生きてきた。互いの事情から3か月の契約恋愛を結んだ二人が、少しずつ本当に惹かれ合っていく。

作品は公開直後から海外でも広く見られた。データサイトのFlixPatrolによると、公開翌日の10日にはNetflixのTVショー部門で世界5位に入り、アジア、北米、中南米、欧州、中東、アフリカなど58の国と地域でトップ10入りした。国別ではブラジルとホンジュラスで2位、コロンビア、パラグアイ、ペルー、フィリピン、ルーマニア、ベネズエラで3位を記録している。国民日報やニューシスによると、公開3日でNetflixのグローバル非英語TVショー部門で3位に入った。反響についてキム・ヨングァン本人は、すべては見られていないと前置きしたうえで、ときめくシーンを編集して投稿してくれる視聴者に感謝していると話した。「多くの方が楽しく、かわいらしく見てくださって、本当に誇らしい」と喜んでいる。
ここ数年、キム・ヨングァンはダークなジャンル作品への出演が続いていた。2022年の『サムバディ』、2023年の『悪人伝記』に出演し、2025年7月25日にNetflixで公開された全10話の『トリガー』では、キム・ナムギルとダブル主演を務めた。『トリガー』は、出どころ不明の違法な銃器が韓国各地に届き、銃をめぐる事件が次々に起こるアクション・ディザスター・スリラーだ。同じ2025年の9月20日から10月26日には、KBS 2TVの土日ドラマ『ウンスのいい日』(全12話)でイ・ヨンエと共演した。麻薬入りのバッグを偶然手にした主婦と組んで危うい「共同事業」に踏み込む、放課後美術講師のイ・ギョンを演じている。ニューシスの取材では、以前はロコに出ていたが、イメージと違う役をやりたくて悪役に挑戦したと説明している。ただ、悪人を演じ続けるうちに、もともと少なかった口数がさらに減ってしまったという。
明るい作品に出たことで、自分自身にも変化があったそうだ。キム・ヨングァンは、作品の雰囲気にはあまり左右されないタイプだと思っていた。しかし、ジャンル作品の時期に公の場での自分を振り返ると、目の前に壁があるように感じたという。ロコではその壁が崩れ、最近はテンションがかなり上がっていて気分がいいと話す。悪人を演じていた頃は美しいことがあまり思い浮かばなかったが、撮影を終えてからは周りの景色がきれいに見えるようになった。この日も「なんでこんなに空がきれいなんだろう」と思ったと笑う。一方で、ロコばかり撮っていたら飛んでいってしまいそうなので、ときどき地に足をつけさせてくれるジャンル作品も必要だと付け加えた。
役作りでは、まずホランの気難しさを外見から表そうとした。衣装は角の立ったシルエットを強調し、あまり笑わない表情や会話の主導権を握ろうとする態度で、簡単には心を開かない人物像を作った。ニューシスには、身長が高いためスーツは当然オーダーメードで、室内で着るパジャマやヨガウェアまで高級感のあるものを用意したと話している。撮影の途中で減量もした。身長190センチで体重72キロのときが一番見栄えがいいと考え、その体形を保つよう努めたという。
本格的に恋愛が始まってからは、自分の照れくささとの戦いだったという。「本当に人がこんなことをするの?」と思う場面のたびに気持ちを立て直す必要があった。そんなときは、監督とチェ・スビンが「できる」と励ましてくれたそうだ。中でもボベの想像の中や劇中劇の場面は、より現実離れしているうえに、ボディーガード役としての真剣さも見せなければならず、心の中で何度も葛藤したと明かして笑いを誘った。ホランが腹の底から「ハッ」と呆れ笑いをする場面は、その葛藤が頂点に達したときに生まれたものだという。普通に演じるだけでは物足りず、「えい、もう知らない」という気持ちで思い切り声を張ったところ、そこから演技が楽になり、同じような表現を使うようになった。見る側も照れくさいのではと心配すると、かえって演技が縮こまる。だから心配すること自体をやめ、原作や参考作品に頼るよりも、この世界観の中で自分がホランならどう動くかを考えることで、演じるハードルを下げたと説明した。
作品全体で目指したのは、型を崩さない「王道」だった。キム・ヨングァンは、クリシェ(お決まり)をクリシェらしく描き、見る人に「知っている味」を楽しんでもらうことが自分たちの目標だったと強調した。ニューシスによると、監督は最初から「クリシェだけでいく」と伝えていたという。国民日報には、バッテリーで動く心臓を他人が充電するという設定が新鮮だったと話した。お決まりの展開を正確に見せるには、ホランというキャラクターと作品の世界観を100パーセント信じる必要があったとも語っている。原作小説はあえて読まなかった。台本のト書きが短かったため、監督や共演者とリハーサルを重ねて動線や動きを具体的に詰めていった。ホランの家のように人物を取り巻く空間がよく作り込まれていると、人物像は自然に保たれるとも話している。
チェ・スビンとの息の合った演技も、ホランを形づくる大きな力になった。キム・ヨングァンによると、チェ・スビンはどんな演技もしっかり受け止めてくれる。リハーサルでやらなかった芝居を本番で急にしても、それに合わせて返してくれたという。地方ロケで一緒に食事をしたり出かけたりして親しくなり、その時間がドラマに溶け込んでケミストリーが生まれたと振り返った。チェ・スビンについては「リスのようでもあり、コアラのようでもある。思わず触れたくなるような俳優で、それが武器だ」と表現した。さらに「思慮深いのに柔軟。僕は現場で騒ぎ回っているけれど、スビンはじっと考えていることが多い」と、その内面の深さをたたえた。国民日報によると、似た役を繰り返して演技の幅が狭くなるのではと悩んでいたチェ・スビンに、キム・ヨングァンは「得意な演技をこつこつ積み重ねることも大事だ」と助言し、それがチェ・スビンの支えになったという。
視聴者からは、序盤は冷たい財閥3世だったホランが、後半になるほどキム・ヨングァン本人と重なって見えるという声も上がった。これについて本人は、「自分」という素材は同じなので、相手役と親しくなり、ふざけ合ううちに素の自分が出たのかもしれないと分析した。実際に撮影が進むにつれて境界が少しずつ崩れ、それがかえって自然で美しい姿につながったと話している。
2006年にモデルとして活動を始め、2008年に俳優業へ活動を広げたキム・ヨングァンは、今年でデビュー20周年を迎えた。次回作は、現在撮影中のロコ『조련의 여왕』(原題)だ。相手に手なずけられながらも、危険な魅力を持つ男性を演じる。本人は「『私を充電して』とはまた違う味わいのロコ」だと期待を呼びかけた。ニューシスには、年齢を重ねるとロコの話が来なくなりそうなので、できるうちにやりたいと話している。ロマンスをもっとたくさんやっておけばよかったとも思ったそうだ。今後もジャンルにこだわらず、ある場面が目に浮かんだり興味がわいたりする作品を選びたいという。
インタビューの最後には、無表情で黙っていると怖いと思われがちだが、実は優しくて親しみやすい近所のお兄さんのような人間だと知ってほしいと話した。最近、作品の宣伝で多くのコンテンツを撮影するなかで、ファンが思った以上に撮影の裏話を聞きたがっていると気づいたという。今後は作品を通じて、ファンともっと近づける機会を作れるよう努力しているので楽しみにしてほしいと呼びかけた。
これまでの報道も振り返っておく。10月19日にはCBSノーカットニュースが、遊園地のバイキングに乗るシーンでは演技ではなく本当に怖がっていたことや、何度もNGを出したせりふがあったことを報じた。同じ日に国民日報が、二人が王道ロコを真正面から演じた理由を伝えた。21日にはフィナンシャルニュースのインタビューで、悪役の後にロコと出会い「活力を充電できた」と語っている。『私を充電して』の全10話はNetflixで配信中だ。
原文:[TF인터뷰] 김영광, '나를 충전해줘'로 되찾은 로코의 설렘





