BTS ジミン、米公演で難病と闘う幼いファンを抱き締める
写真: BTS — LG전자 This file comes from LG Electronics's official Flickr. / CC BY 2.0BTSのジミンが、現地時間8月15日に米テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで行われたワールドツアー「ARIRANG」公演で、客席にいた難病と闘う幼いファンのオリビアさんと直接触れ合い、抱擁と頬へのキスを贈った。その様子は、がんと闘う子どもとその家族を支援する米国の非営利団体「ヒーローズ・フォー・チルドレン(Heroes for Children)」のSNSを通じて公開され、公演から数日たった今も反響が続いている。
公開された映像には、公演の途中で客席近くまで歩み寄ったジミンが、そこにいたオリビアさんを見つける場面が収められている。ジミンは腰をかがめて目線の高さを合わせ、自分が手にしていた記念品を手渡した。さらに髪をやさしくなでながらあいさつを交わし、続いてオリビアさんを腕の中に抱き寄せると、頬に軽く口づけをして特別な思い出を贈った。


予想していなかった出来事に、オリビアさんはまず驚いた表情を浮かべ、その後、満面の笑みを見せた。周囲を見回しながら「私、キスしてもらった(I got a kiss)」と声を上げ、うれしさを隠しきれない様子も映像に残っている。ステージ上のアーティストが客席の一人ひとりに目を向ける瞬間は決して多くないだけに、この短いやり取りが持つ意味は小さくない。
オリビアさんは、難病の子どもたちの願いをかなえる支援プログラムを通じてBTSの公演会場を訪れたと伝えられている。つまりこの日の来場そのものが、闘病を続ける少女の願いとして用意されたものであり、そこにアーティスト本人からの直接の応答が重なった形になる。会場となったAT&Tスタジアムは米プロフットボールNFLのダラス・カウボーイズの本拠地として知られる大規模施設で、数万人規模の観客が集まる場所である。その広大な空間の中で、ステージ上の一人が客席の小さなファンを見つけ、目線を下げて言葉を交わしたという事実が、映像を見た人々の心を動かした。
ヒーローズ・フォー・チルドレンはこの場面を公開するにあたり、「まだこの瞬間の感動から抜け出せずにいる」という趣旨のコメントを寄せた。そのうえで、オリビアさんに温かい抱擁と一生忘れられない思い出をつくってくれたBTSとジミンに対し、感謝の気持ちを表している。同団体はがんを患う子どもとその家族を支援する米国の非営利団体で、闘病中の子どもと家族が直面する負担を和らげる活動を続けている。今回の投稿も、そうした支援活動の中で生まれた一場面として発信されたものだ。
映像が公開された後、ファンからの反応も相次いだ。ファンたちはオリビアさんの明るい表情に一緒に喜び、その健康を祈るメッセージを寄せた。同時に、幼いファンに自分から先に歩み寄ったジミンの姿にも温かい反応が集まっている。公演のパフォーマンスそのものではなく、ステージの合間に生まれた小さなやり取りが、公演後も話題として広がり続けている点は、今回の出来事の性格をよく表している。
この日のジミンは、ステージ衣装でも注目を集めた。赤と青のヘアピースでポイントを付け、太極旗の乾坤坎離(けんこんかんり)を連想させる要素を取り入れたスタイリングを披露した。太極旗は韓国の国旗で、中央の赤と青の太極文様、そして四隅に配された乾坤坎離の四卦で構成される。ジミンが取り入れた赤と青の配色と四卦を思わせる意匠は、この国旗のモチーフと重なるものだった。
この公演が行われた8月15日は、韓国では光復節にあたる。日本の統治から解放されたことを記念する韓国の祝日であり、韓国国内では毎年、記念式典が行われる重要な日として位置づけられている。その日に米国での公演の舞台に立ち、太極旗を思い起こさせるスタイリングを見せたこと、さらにその同じ日に幼いファンとの温かな交流が生まれたことが重なり、公演が終わった後も関心が続く結果となった。
BTSは現在、ワールドツアー「ARIRANG」を展開している。今回のアーリントン公演もその一環として行われたものだ。ツアータイトルに掲げられた「アリラン」は韓国を代表する民謡の名であり、そのタイトルを冠したツアーの中で、光復節当日に太極旗を想起させる衣装が登場したことになる。
韓国の芸能ニュースでは、アーティストがステージ上で見せる細やかな振る舞いが、公演のセットリストや動員数と並んで大きく取り上げられることが少なくない。今回のように、公演を主催する側ではなく、支援団体のSNS投稿を通じて場面が外部に共有されるケースもある。ヒーローズ・フォー・チルドレンによる投稿がなければ、この短いやり取りは会場にいた人々の記憶の中だけに残っていたかもしれない。支援団体が発信の起点となったことで、来場の背景にあるプログラムの存在も含めて広く知られることになった。
ジミンが記念品を手渡し、髪をなで、抱き寄せて頬にキスをするまでの一連の動作は、いずれも短い時間の中で行われたものだった。それでも、驚きの表情から笑顔へと変わり、「私、キスしてもらった」と声を上げたオリビアさんの反応が、その時間の重さを物語っている。難病の子どもたちの願いを支えるプログラムを通じて実現した会場訪問が、本人にとって忘れられない一日になったことは、公開された映像からも伝わってくる。
公演から数日が経過した現在も、この場面をめぐる反響は続いている。ファンからはオリビアさんの回復を願う声が寄せられ、ジミンの行動に対する評価も広がっている。光復節に米国の大舞台で見せた韓国らしいスタイリングと、客席の幼いファンとの交流。この二つが重なった8月15日のアーリントン公演は、ツアーの一夜として記録される以上の意味を持つ日となった。










