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米イリノイ州、BTSシカゴ公演の2日間を「BTSデー」に指定

BTS写真: BTS — LG전자 This file comes from LG Electronics's official Flickr. / CC BY 2.0
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米イリノイ州のJ.B.プリツカー知事が、BTS(防弾少年団)のシカゴ公演にあわせ、現地時間8月27日と28日の2日間を「BTSデー・イン・イリノイ(BTS Day in Illinois)」に指定した。この2日間、シカゴのソルジャー・フィールドではワールドツアー「BTS WORLD TOUR『ARIRANG』IN Chicago」が開催される。州が公演を前に公式に歓迎の姿勢を示した形で、iMBC芸能が8月24日に、スポーツ京郷も同日に報じた。

州が出した宣言文には、BTSがこれまで社会に対して果たしてきた役割が書き込まれている。精神的な健康への意識を高めること、自分自身を愛すること(セルフラブ)、そして慈善活動といった社会的価値を広げてきた点が挙げられ、さらにグループの中心にあるメッセージがイリノイ州の市民的価値と重なるものだと評価された。宣言文はまた、世界の数百万人規模のファンが地域社会での奉仕活動や寄付に参加するきっかけをBTSが与えていると指摘している。そのうえで州は住民に対し、BTSの訪問を機に、音楽と文化、そして共同体が持つ「和合」の価値をともに祝おうと呼びかけた。

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写真: BTS — LG전자 This file comes from LG Electronics's official Flickr. / CC BY 2.0

こうした評価の背景には、BTSが長年続けてきた具体的な活動の積み重ねがある。BTSは2017年、K-POPアーティストとして初めてユニセフ韓国委員会と公式のパートナーシップを結び、「LOVE MYSELF」キャンペーンを展開した。このキャンペーンは155の国と地域で、子どもや青少年に対する暴力の予防と心理的な支援に取り組むものだった。2020年には、公演業界そのものを支える動きにも加わっている。ライブネイション(Live Nation)が立ち上げた「クルー・ネイション(Crew Nation)」キャンペーンに100万ドルを寄付し、ツアーの現場を支えるスタッフの支援にあてた。表舞台に立つアーティストとしてだけでなく、業界の裏側を支える人々にも目を向けてきた点が、今回の宣言文が挙げた「社会的価値の拡散」という評価につながっている。

イリノイ州は、公演がもたらす経済的・文化的な波及効果にも触れている。公演期間中には数千人規模の来訪者がシカゴを訪れ、大規模な文化交流が生まれると見込んでいる。地域経済の活性化にとどまらず、イリノイ州を文化・芸術・エンターテインメントの中心地として世界に知らせる機会になるという期待が示された。K-POPアーティストの公演が、単なる音楽イベントを超えて都市のプロモーションと結びつけて語られていることになる。

地元の行政がBTSを公式に歓迎するのは、今回が初めてではない。北米ツアーの各地で同じような動きが続いている。カナダのトロントは、BTSの訪問にあわせて8月22日と23日を「BTSウィークエンド(BTS Weekend)」に指定し、市内の道路の一部を「BTS大通り(BTS Boulevard)」として一時的に命名した。米メリーランド州のウェス・ムーア知事は、ボルティモア公演を前に韓国語字幕付きの歓迎映像を公開している。テキサス州のエルパソ郡は公演期間を「エルパソBTSウィークエンド(El Paso BTS Weekend)」と宣言し、BTSに「エスティマド・アミーゴ(Estimado Amigo)」賞を贈った。州、市、郡と単位はさまざまだが、いずれも公演の日程そのものを記念日として扱っている点で共通している。

歓迎の輪は北米にとどまらない。メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領はBTSと直接面会し、政府名義の記念盾を手渡した。フランスのエマニュエル・マクロン大統領夫妻は、パリのスタッド・ド・フランスで行われた公演を実際に客席で観覧している。ツアーが訪れる都市ごとに、各国の首脳級の人物がBTSに関心を示す状況が続いている。

シカゴ公演には、BTSにとってもう一つの意味がある。ソルジャー・フィールドを訪れるのは、2019年5月の「BTS WORLD TOUR『LOVE YOURSELF: SPEAK YOURSELF』」以来、およそ7年3か月ぶりとなる。当時BTSは、韓国の歌手として初めてこの会場で単独公演を開き、新たな節目を刻んだ。今回の公演は、その舞台への再訪という形になる。

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今回のツアーの軸となっているのが、正規5作目のアルバム『ARIRANG(アリラン)』だ。このアルバムは、グループとして3年9か月ぶりにメンバー全員がそろって発表した完全体アルバムにあたる。兵役に伴う個人活動の期間を経て、7人での活動を本格的に再開してからの作品ということになる。米ビルボードが8月18日(現地時間)に発表した最新チャートでは、『ARIRANG』がメインアルバムチャート「ビルボード200」で21位につけ、4月のチャートインから21週連続でランクインを続けていた。同じ週のチャートでは、韓国のグループStray Kids(スキズ)が新ミニアルバム『THIS & THAT』で通算9作目となる首位を獲得している。

アルバムのタイトル曲「SWIM」は、賞レースでも評価を受けている。米国のMTVが現地時間8月18日に発表した「2026 MTVビデオ・ミュージック・アワード(2026 MTV VMA)」の候補者リストで、同曲は最優秀楽曲賞にあたる「今年の楽曲(Song of the Year)」部門と「ベストK-POP」部門の候補に名を連ねた。授賞式は9月27日に開かれる予定で、北米ツアーの日程と並行して注目が集まる形になっている。

ツアー中の出来事も、たびたび話題になってきた。現地時間8月15日、テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで開かれた「ARIRANG」公演では、ジミンが客席にいた小児がんと闘う少女オリビアさんのもとへ自ら歩み寄り、抱き寄せて頬にキスを贈った。その様子は、がんと闘う子どもとその家族を支援する米国の非営利団体「ヒーローズ・フォー・チルドレン(Heroes for Children)」の公式SNSを通じて公開され、公演から数日たっても反響が続いた。オリビアさんは難病の子どもたちの願いをかなえるプログラムを通じて会場を訪れていた。ジミンをめぐっては、公演をきっかけに新しいファン層を取り込んでいる事例も相次いで伝えられており、イギリスの有力紙「ガーディアン」のレビューをはじめ、海外メディアの記者から韓国の俳優まで、立場の異なる人物が公演後にジミンを「一番好きなメンバー」として挙げる反応が報じられている。

ツアーの周辺では、企業との連携も動いている。グーグルは8月19日、対話型AIアプリ「Gemini(ジェミニ)」の中にBTSのハブページを設け、4種類のインタラクティブ機能の提供を始めたと明らかにした。プロンプト入力欄に「Unlock BTS」または「7777」と入力すると利用でき、メンバー自身が選んだ「瞬間」に触れたり、言葉を学んだり、BTSの最新情報を確認したり、自分のアイデアを形にしたりできる空間が用意されている。メンバー個人の発信も続いており、Vは8月19日までに自身のインスタグラムで、ジョングクとともにジムで懸垂やラットプルダウンに取り組む様子を公開した。

BTSは8月27日と28日、シカゴのソルジャー・フィールドで北米ツアーを続ける。トロント、ボルティモア、エルパソと各地で行政が歓迎の姿勢を示してきた流れの延長線上に、今回のイリノイ州の「BTSデー」指定がある。日本の読者にとっては、韓国の音楽グループの海外公演が、開催地の州政府によって記念日として公式に扱われるという点が、K-POPの位置づけの変化を示す一つの目安になりそうだ。

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