「ランニングマン」クォン・ウンビ、三行詩ならぬ二行詩対決でお笑い芸人を圧倒
歌手のクォン・ウンビが、8月30日に放送されたSBSのバラエティ番組「ランニングマン」で、コメディアンのキム・ウォンフンと繰り広げた二行詩(二行詩=与えられた二文字を頭に置いて一節ずつ作る言葉遊び)対決を制し、スタジオを笑いに包んだ。歌手としてカムバックを目前に控えたタイミングでの出演だったが、この日は歌ではなくとっさの言葉のセンスで存在感を示す形になった。
この日の「ランニングマン」は「やる?やらない?」レースとして構成され、ゲストにはクォン・ウンビとキム・ウォンフンの2人が招かれた。番組の流れの中で、それ以前のゲームに勝ったユ・ジェソク、チ・ソクジン、ヤン・セチャン、クォン・ウンビの4人だけが昼食にありつけるという展開になっていた。ところが制作陣が「スポンサーがユ・ジェソクとキム・ジョングクにはぜひ食べてほしいと言っている」と明かしたことで、ゲームに敗れていたキム・ジョングクも食事を楽しめることになった。勝敗で決まったはずのルールが番組の事情であっさり覆るというのは、「ランニングマン」らしいゆるやかな笑いどころでもある。

食事の最中、食べられない側に回っていたキム・ウォンフンが、コニタン(魚の白子を使ったスープ)を食べているメンバーたちに向かって「『コニ』で二行詩をやったら一口くれるか」と持ちかけた。メンバーたちが「まずは聞いてみよう」と応じたところ、キム・ウォンフンは「『コ』ニをください、『イ』のやろう」と叫び、その瞬間、現場は静まり返ってしまった。笑いを取るはずの一発芸が、かえって場の空気を凍らせるという、バラエティではおなじみの光景である。
ここで助け舟を出したのがクォン・ウンビだった。彼女はキム・ウォンフンに「もう一度やってみて」とチャンスを与えた。しかし、二度目に披露された「『コ』ニがいいんだ、『イ』い日だね」という二行詩も期待に届かず、結果的にまた別の意味での笑いを誘うことになった。プロのコメディアンが二度続けて滑るという流れそのものが、この場面の見どころになっていた。
その後、キム・ウォンフンは矛先を変え、クォン・ウンビに「ウンビさん、二行詩できますか」と尋ねた。クォン・ウンビはためらうことなくうなずくと、「『コ』マる(困る)、その『ニ』(=あんたの)ギャグが」と即座に返し、キム・ウォンフンを一撃で沈めた。予想外の切れ味あるフレーズにメンバーたちは一斉に笑い出し、この日の二行詩対決はクォン・ウンビの勝利で幕を閉じた。ゲストとして呼ばれた歌手が、笑いのプロを相手に真正面から言葉遊びで打ち勝った格好で、番組内での彼女のバラエティ適性があらためて印象づけられた場面となった。
クォン・ウンビにとって、今回のバラエティ出演は音楽活動の節目と重なるタイミングでもある。彼女は9月3日午後6時に、新しいデジタルシングル『DEJAVU(デジャブ)』を発売する。約1年4か月ぶりとなる新曲であり、所属事務所RBWに加入してから初めて発表する楽曲にあたる。事務所移籍後の第一弾ということもあり、カムバックに向けたプロモーションが段階的に進められてきた中での「ランニングマン」出演だった。
新譜に向けた露出は8月末から本格化していた。8月27日には本人のインスタグラムに新譜のティーザー写真が公開され、カムバックの日程があらためて示された。この日投稿されたティーザーは、緑の広がる屋外を背景に、カメラへまっすぐ視線を向けたクォン・ウンビを捉えたクローズアップ構図で、光を含んだオレンジ色の髪とホワイトトーンの衣装が対比をつくり、ネックレスとレイヤードされたストラップがアクセントになっていた。温かみのある照明が顔を照らす、柔らかな質感の一枚だった。
続いて所属事務所のRBWは8月27日午後8時、公式SNSを通じて第2弾のコンセプト写真を公開した。これは海辺を舞台にした「DEJAVU FRAME(デジャブ・フレーム)」の2枚目のイメージにあたるもので、発売まで一週間を切ったタイミングで、新曲がまとう空気感を段階的に見せていく形が取られた。公開された写真の中でクォン・ウンビは、青い海と黒い岩が入り混じるビーチに立ち、ライムカラーのビキニを着用してポーズを取っている。オレンジ色の髪は自然にまとめてアップにし、鮮やかな色づかいのスタイリングを重ねた構成だった。1枚目の緑を背景にした柔らかなクローズアップから、2枚目の海辺と原色の対比へと、ビジュアルの振れ幅を見せる流れになっている。
クォン・ウンビは1996年生まれの30歳で、ガールズグループIZ*ONEの出身。グループ活動を経てソロ歌手として活動を続けてきた。今回の『DEJAVU』は、新たな所属先での再出発を告げる作品という位置づけになる。カムバックを控えた時期に地上波の看板バラエティに顔を出し、歌以外の場面で強い印象を残したことは、新曲の話題づくりという面でも意味を持つだろう。
「ランニングマン」は、ユ・ジェソク、キム・ジョングク、チ・ソクジン、ヤン・セチャンらが出演するSBSのバラエティ番組で、日曜の夜に放送されている。毎回テーマに沿ったレースが組まれ、ゲストがメンバーに交じってゲームに挑む構成が定番だ。今回の「やる?やらない?」レースのように、選択と駆け引きを軸にした企画では、ゲームの勝敗そのものよりも、食事をめぐる小競り合いや、こうした即興のやりとりから思わぬ名場面が生まれることが多い。韓国のバラエティに親しんでいる日本の視聴者にとっても、言葉遊びである二行詩は翻訳を挟むと少し伝わりにくい部分があるが、キム・ウォンフンの二度の空振りと、クォン・ウンビの一撃という構図は、字幕越しでも十分に伝わる場面と言えそうだ。









