キム・ヨングァンとチェ・スビン、『私を充電して』で王道ロコに挑んだ思い
写真: キム・ヨングァン — Explicit / CC BY-SA 4.0Netflixで10月9日に公開されたシリーズ『私を充電して』(原題:나를 충전해줘)で主演を務めたキム・ヨングァンとチェ・スビンが、韓国メディアのインタビューで作品について語った。国民日報が19日付で報じた。二人は、ロマンティックコメディーの「お決まり」を真正面から演じた理由や、この作品が自分たちの俳優としての歩みを振り返るきっかけになったことを話している。
主人公は、人工心臓のバッテリーを充電し続けなければならない財閥3世のペク・ホラン(キム・ヨングァン)と、体に電気が流れるドラマ作家のナ・ボベ(チェ・スビン)だ。ボベは幼い頃に雷に打たれ、それ以来、電気の能力を持っている。ホランの心臓はボベに触れることで充電できるが、ボベはこの能力のせいで他人との接触を避けて暮らしてきた。お互いの事情から契約関係を結んだ二人が、少しずつ恋に落ちていく物語だ。

財閥の御曹司と平凡な女性の恋は、韓国ドラマではおなじみの組み合わせだ。本作はそこに、人工心臓と電気の能力というファンタジーの設定を加えた。国民日報は、決まった型を無理に崩すのではなく、その枠の中でときめきと面白さを引き出すことに集中した作品だと評している。原作はヘボン(해번)作家の同名ウェブ小説で、演出はパク・スウォン監督、脚本はソン・ユチェ作家が担当した。英題は「Take Charge of My Heart」で、全10話。
キム・ヨングァンは台本を初めて読んだときのことを振り返り、「バッテリーで動く心臓が、ほかの人によって充電されるという設定が新鮮だった」と話した。さらに、「(ロマンスの)クリシェをきちんと見せるには、ペク・ホランという人物と作品の世界観を100%信じなければならないと思った」と語った。ノーカットニュースのインタビューでは、あらかじめ計画を立てず、現場でその場の反応を大事にして演じるよう心がけたとも説明している。パク・スウォン監督も以前、「最初は悩んだが、知っている味が一番怖い」と話しており、本作はロコのお決まりの展開をあえて積極的に取り入れている。
チェ・スビンも最初は、見慣れたロマンスが今の視聴者にも受け入れられるのか悩んだという。それでも、正統派のロマンティックコメディーを忠実に作るという制作陣の方針に共感した。「長い間愛されてきたのには理由があるのだろうと思った」と話し、「こういう作品がもっと出てきてほしい」と期待を込めた。
公開後の反応は数字にも表れている。韓国メディア「シングルリスト」によると、FlixPatrolの集計で、公開翌日の10日にNetflixのTVショー部門ワールドワイドで5位に入った。アジアのほか、北米・中南米、ヨーロッパ、中東、アフリカなど世界58の国と地域でTOP10入りした。ブラジルとホンジュラスでは2位、コロンビア、パラグアイ、ペルー、フィリピン、ルーマニア、ベネズエラでは3位を記録している。国民日報によると、公開から3日でNetflixのグローバル非英語TVショー部門3位にも入った。
この作品は、二人がこれまでの演技活動を振り返る機会にもなった。キム・ヨングァンはこれまで、『サムバディ』(原題:썸바디)、『悪人伝記』(原題:악인전기)、『トリガー』など、暗いトーンのジャンル作品に多く出演してきた。『トリガー』は2025年7月25日にNetflixで公開された全10話のシリーズだ。出どころの分からない違法な銃が韓国各地に届けられ、銃をめぐる事件が次々と起こる中、それぞれの理由で銃を手にした二人の男を描くアクション・スリラーで、キム・ヨングァンはキム・ナムギルとともにこの二人を演じた。2025年9月20日から10月26日までは、KBS 2TVの土日ドラマ『ウンスのいい日』(全12話)でイ・ヨンエと主演を務めた。麻薬入りのバッグを偶然手にした主婦と、娘が通う学校の放課後美術講師が、危うい「共同事業」に踏み込んでいく物語だ。そうした作品が続いた後でロマンティックコメディーを撮ったことで、気持ちがずいぶん明るくなったという。当サイトが21日に紹介したフィナンシャルニュースのインタビューでも、悪役を演じた後にロコ作品と出会い、「活力を充電できた」と語っていた。
チェ・スビンは、ロマンスというジャンルについての悩みが軽くなったという。似た役を繰り返すうちに演技の幅が狭くなるのではないかと心配していたが、キム・ヨングァンから「得意な演技を着実に積み重ねていくことも大切だ」と助言され、それが支えになった。チェ・スビンは「今、自分に与えられたものを一生懸命やっていこうという気持ち」と今の心境を語った。
撮影現場の様子は、19日に報じたノーカットニュースの企画「ワット・ザ・OTT」のインタビューで、キム・ヨングァンが詳しく話している。遊園地でバイキングに乗る場面の表情は演技ではなく、本当に怖がっていたものだという。「本当に怖かった。あのシーンを撮るために3~4回乗った」と笑った。チェ・スビンも「怖い乗り物は得意だといばっていたので平気なのかと思ったら、ものすごく怖がっていた。とても面白かった」と当時の様子を明かした。その後のお化け屋敷のシーンでも、本当に驚いて転んでしまったそうだ。
大げさな口調や設定に慣れず、NGを何度も出した場面もあった。その代表が第6話の、ナ・ボベが想像するお化け屋敷のシーンだ。ボベの想像の中でボディーガードとして登場するキム・ヨングァンが、かわいくてたまらないという表情で「代表、走ってください」と言いながら手をつないで走る。キム・ヨングァンは「照れくさかった。一番大変だった。この一言でどれだけNGを出したことか」と振り返った。NGのたびにパク・スウォン監督は「ファイティン」と声をかけ、チェ・スビンは「オッパ、大丈夫」と励ましてくれたという。キム・ヨングァンは「本当にたくさん助けてもらった」と感謝を伝えた。
チェ・スビンとは最初こそぎこちなかったが、だんだん親しくなり、いたずらをし合ううちに自然と役に入り込めたという。キム・ヨングァンは、そうした過程が作品にもよく表れていると思うと話した。地方ロケでは撮影の合間に時間が空くと連絡を取り合い、一緒にゲームをして、すぐに打ち解けたそうだ。現場の雰囲気の良さは体重にも表れ、「わざと太ったわけではないが7キロ増えた。撮りながら幸せだったみたい」と笑った。
共演者についても話している。チャ・ウミンとは、ごく自然に言い合う関係ができたという。チャ・ウミンからは、初めてペク・ホランに会ったとき、チ・ウノの立場からは本当に嫌なやつに見えたと言われたそうだ。チョン・ジェグァンについては「演技が上手すぎて、努力しなくても怒りがこみ上げてきた。本当に憎たらしかった」と笑った。ホ・ドンウォンについては、アイデアが豊富で準備もしっかりしてきたのに、それを監督には言わなかったと明かし、「思ったより繊細だ。頼もしかった」と話した。
ノーカットニュースは22日にも同じ企画で本作を取り上げた。チェ・スビンが作中で見せるピカチュウやトゥワーキングの姿、キム・ヨングァンとキム・アヨンの息の合った掛け合いを紹介している。『私を充電して』は現在、Netflixで全10話が公開されている。




