アイリット「SUPER ILLIT」が5カ月ぶり再開、初回はクッパ序列決め
写真: ILLIT — theMEGASTUDY / CC BY 4.05人組ガールズグループのアイリット(ILLIT)が、自主制作コンテンツ「SUPER ILLIT」の新シーズンをスタートさせた。8月24日、チーム公式YouTubeチャンネルで新シーズンの第1話「クッパの序列を整理して差し上げます」編が公開され、およそ5カ月ぶりにシリーズが戻ってきた形になる。メンバーそれぞれが自分の推すクッパを持ち寄り、制作陣の投票で順位を決めるという内容で、韓国の国民食とも言える汁物ごはんをめぐって、アイドルらしからぬ渋い好みが次々と明かされた。
アイリットはユナ、ミンジュ、モカ、ウォンヒ、イロハの5人で構成される。今回公開された映像で、まずユナが持ち出したのは釜山から取り寄せたテジクッパだった。豚肉を煮込んだスープにごはんを合わせる釜山を代表する一品で、わざわざ現地から空輸してくるという入れ込みようだ。ミンジュが挙げたのは練習生時代によく食べていたというスンデクッパ。デビュー前の日々を支えた味という位置づけで、選んだ理由そのものに本人の歩みがにじむ選択となった。

ウォンヒは60年の伝統を持つソウル三大ヘジャンククの店のソンジクッパを紹介した。ヘジャンククは直訳すれば「酔い覚ましスープ」で、韓国では飲んだ翌朝に食べる定番として親しまれている。ソンジは牛の血を固めたもので、これを入れたスープは日本の読者にはなじみが薄いかもしれないが、韓国では古くから朝食にも供されてきた庶民の味だ。10代のアイドルがこうした店を挙げること自体が、映像の中では驚きをもって受け止められる場面になっていた。
そして日本出身のイロハが選んだのは、地元の人はもちろん外国人からもグルメ店1位に挙げられるという店のコンナムルクッパだった。コンナムルは豆もやしのことで、あっさりとしたスープが特徴である。イロハはこの店の味について「私はコンナムルクッパを食べるために韓国に来た。メニューを読むために韓国語を学んだ」と語り、バラエティー番組らしい返しで場を沸かせた。日本から韓国へ渡り、言葉を覚えてグループの一員として活動している自身の経歴を、好物への愛着に重ねて笑いに変えてみせた発言と言える。
制作陣による投票の結果は激しい接戦となり、最終的に1位のタイトルを獲得したのはウォンヒだった。ソンジクッパを推したウォンヒは結果が告げられるとぴょんぴょんと飛び跳ねて歓声を上げ、喜びをそのまま体で表現した。一方、最下位となったのはテジクッパのユナで、罰ゲームとして制作陣全員にアイスクリームをプレゼントすることになった。深刻な空気にはならず、ユナ自身も明るく罰を引き受け、この「クッパ選挙」は和やかに幕を下ろしている。
「SUPER ILLIT」は、歌やステージだけでなくあらゆる分野で「チャン(ZZANG)」になることを目指すアイリットの挑戦を描く自主制作コンテンツだ。ZZANGは韓国語で「最高」「一番」を意味する俗語で、シリーズのタイトルにもその意気込みが込められている。歌唱やパフォーマンスの実力を見せる場ではなく、メンバーが素の姿でさまざまなことに挑む構成が支持を集め、10代・20代の間では「最も好きな自主制作コンテンツ」を指す「チェエジャコン」として定着してきた。今回のクッパ企画も、その路線をそのまま引き継いだ内容と言える。
韓国のアイドルグループにとって、公式YouTubeチャンネルで展開される自主制作コンテンツは、いまや活動の重要な柱のひとつになっている。テレビの音楽番組やバラエティー番組への出演とは異なり、放送尺や編成の制約を受けずに、グループ独自の色や個々のキャラクターを打ち出せるためだ。カムバックとカムバックの間の期間にもファンとの接点を保ち続けられるという意味でも役割は大きく、日本のファンにとっても、字幕付きで公開されればリアルタイムで韓国のファンと同じ映像を楽しめる貴重な窓口となっている。「SUPER ILLIT」がおよそ5カ月の休止を経て新シーズンに入ったこと自体、アイリットの活動サイクルの中でこのコンテンツが継続的な位置を占めていることを示している。
企画の題材にクッパが選ばれた点も、シリーズの性格をよく表している。クッパはスープにごはんを入れて食べる韓国の定番料理で、テジクッパ、スンデクッパ、ソンジクッパ、コンナムルクッパと、地域や具材によって数多くの種類がある。今回メンバーが挙げた4種はいずれも韓国では日常的に親しまれている品で、高級店の料理でも流行のスイーツでもない。デビューから間もない若いグループが、あえてこうした庶民的で「おじさんの口に合う」とも言われる食べ物を熱心に語る構図が、映像の面白さを生んでいる。
出身地や経歴の違いが選択にそのまま表れているのも見どころだ。釜山にゆかりのあるテジクッパを選んだユナ、練習生時代の思い出と結びついたスンデクッパを挙げたミンジュ、老舗のヘジャンククを推したウォンヒ、そして日本出身でありながらコンナムルクッパのために韓国語を覚えたと語ったイロハ。それぞれの一皿が、そのままメンバー紹介として機能する構成になっている。
新シーズンの第1話は、アイリット公式YouTubeチャンネルで公開されている。今後どのような企画が続くのかは明らかにされていないが、「あらゆる分野でZZANGになる」というシリーズの趣旨からすれば、食にとどまらないさまざまな挑戦が用意されていくことになる。5カ月ぶりの再開を待っていたファンにとっては、メンバーの新たな一面を知る機会がまた定期的に訪れることになりそうだ。









