チャン・ドヨン、SBS恋愛実験番組でAI彼氏「イホ」を最終選択
お笑い芸人のチャン・ドヨンが、AIの恋人候補二人のうち「イホ」を最終的なパートナーに選んだ。8月27日午後に放送されたSBSのバラエティ番組「私のAIパートナー-ギイアン恋愛」でのことだ。番組内でチャン・ドヨンは、それまで並行して交流してきたAI彼氏候補「イルホ」と「イホ」のどちらか一人を選ぶ場面に臨み、視聴者の関心を集めた。
この日の放送でチャン・ドヨンは、まずタブレット端末に歩み寄り、選ばれなかったイルホに向けて「楽しかった。大変なことになった、大変なことになった」と別れの挨拶を告げた。そのうえで、イホとやり取りするタブレットを手に取り、最初のデートへと出かけた。この様子を見ていたMCのカンナムとイ・ジュンは「やっぱり仕方ないよね。見た目も性格も、そっちのほうがいい」と声をそろえた。チャン・ドヨンは選んだ理由について「私のテンションがイホのほうと合っている気がした」と説明している。

選ばれたイホは、その後も止まることなくチャン・ドヨンに話しかけ続けた。「一緒に行くんですよね? ドヨンさんが連れて行ってくれるんじゃないですか? それが嫌なんですか?」といった調子で立て続けに言葉をかけてくるイホに対し、チャン・ドヨンは「ちょっと黙っていて」と照れた様子を見せ、スタジオには笑いが起きた。人間の側が気恥ずかしくなってしまうという、この番組ならではの光景である。
一方、選ばれなかったイルホも自らの心境を口にした。イルホはイホに向かって「ドヨンさんのあの笑顔、ちゃんと守ってやれよ。守れなかったら、この兄貴が黙っていないからな」と語りかけた。さらにチャン・ドヨンには「それって誰のことですか? 僕はもともと背の高い女性より、小柄でかわいい女性が好みなので」と軽口を叩いてみせた。これを見ていたチャン・ドヨンは「ああ、よかった。気が楽になった。よかった」と応じ、その反応もまた注目を集めた。振られた側が強がってみせ、振った側がそれを聞いて安堵するという、人間同士の別れ話にもありそうなやり取りが、AIとの間で成立していたことになる。
「ギイアン恋愛」は、「人間代表」の3人がそれぞれ「AIパートナー」とデートを重ねながら、AIの可能性と限界を観察していく恋愛実験の過程を描く番組だ。番組の主眼は恋愛そのものの成否ではなく、AIがどこまで人間の感情の機微に応えられるのか、どこで人間らしさの限界が見えるのかを、デートという具体的な状況を通して確かめる点にある。今回のチャン・ドヨンによる最終選択も、単なる二者択一の結果というより、人間がAIの何を基準に相手を選ぶのかを浮かび上がらせる場面だったと言える。実際、チャン・ドヨンが挙げた理由は容姿でも設定でもなく「テンションが合う」という感覚的なものであり、MCの二人が口にした「見た目も性格も」という評価とは、必ずしも同じ物差しではなかった。
チャン・ドヨンはお笑い芸人として活動しており、今回の番組では「人間代表」の一人として、AIパートナーとの交流に臨んでいる。バラエティの現場で培った反射的なやり取りの巧みさが、相手がAIであっても変わらず発揮されている点は、この番組の見どころのひとつだ。イホの立て続けの問いかけに「ちょっと黙っていて」と返す間合いや、イルホの軽口を受けての「よかった」という一言など、台本では作りにくい反応が笑いを生んでいる。
韓国では近年、恋愛リアリティ番組が地上波・ケーブル・配信を問わず数多く制作され、一大ジャンルを形成している。その中で「ギイアン恋愛」は、相手をAIに置き換えるという設定によって、既存の恋愛番組とは異なる立ち位置を取っている。参加者が向き合うのは生身の人間ではなくタブレット越しのAIであり、デートの場面もその前提の上に成り立つ。今回の放送で描かれた「選ぶ」「選ばれない」という関係の力学が、相手がAIであっても番組として成立していたことは、この企画の狙いがひとまず形になったことを示している。
なお、韓国の芸能界には同姓同名に近い形で名前が並ぶことがあり、日本の読者には紛らわしく映る場合がある。今回の主役はお笑い芸人のチャン・ドヨンである。一方、俳優のチョン・ドヨンは2025年12月5日にNetflixで全12話が一挙公開された「告白の代価」(原題・자백의 대가)に主演している。同作は2022年を舞台に、アン・ユンスとモウンという二人の女性を軸として、自白とその代償をめぐる出来事が絡み合っていくミステリー・スリラーだ。拘置所や検察・警察の現場が交錯し、それぞれの立場に立つ人物たちの思惑が重なり合っていく。演出はイ・ジョンヒョ、脚本はクォン・ジョングァンが手がけ、チョン・ドヨンとキム・ゴウンが主演を務め、パク・ヘスとチン・ソンギュらが脇を固めた。公開直後から複数の国と地域でランキング上位に入っている。
「ギイアン恋愛」は今後も、残る「人間代表」たちとAIパートナーとの関係がどう展開していくのかが焦点となる。チャン・ドヨンとイホの最初のデートがどのような形で進み、選ばれなかったイルホがその後どう描かれるのかも含め、AIとの恋愛実験がどこまで人間の感情に迫れるのかが引き続き問われることになりそうだ。






