aespaジゼル、26日キウム戦で人生初の始球式マウンドへ
韓国のプロ野球チーム、キウム・ヒーローズが8月24日、ガールズグループaespa(エスパ)のメンバー、ジゼルを始球式の登板者に迎えると発表した。舞台となるのは8月26日午後6時30分、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで行われるサムスン・ライオンズとのホームゲーム。ジゼル本人が「今回が初めての始球式」と明かしており、グループ活動とは別の形でファンの前に立つ機会となる。
キウム・ヒーローズは球団の告知で、26日のサムスン戦にジゼルを始球者として選定したと伝えた。会場の高尺スカイドームは、ジゼルにとって縁の深い場所でもある。aespaはつい先ごろ、まさにこの高尺スカイドームで単独コンサートを開催しており、そのステージから間もない時期に、今度は野球場のマウンドという別の立場で同じ会場へ戻ってくる形になる。
ジゼルは球団を通じ、「私たちaespaが少し前にまさにこの場所、高尺スカイドームで単独コンサートを行ったのですが、こうして始球式のために再び来ることになり、感慨深く、より一層意味深く感じます」とコメントした。さらに「今回が初めての始球式なのでとても緊張していますが、すべての選手の皆さんが怪我なく素晴らしい試合を見せてくださるよう応援します」と、登板を前にした心境を語っている。緊張を素直に口にしつつ、自身の見せ場よりも選手の無事と試合内容に言葉を割いた点に、コメントの落ち着いた調子がにじむ。
ジゼルが所属するaespaは、デビュー曲「Black Mamba」を皮切りに、「Next Level」「Supernova」「Armageddon」「Whiplash」と立て続けにメガヒットを重ねてきたグループだ。直近では新曲「LEMONADE」を発表しており、こうしたヒット曲の連続がグローバルな影響力を裏づけていると報じられている。デビュー曲から最新曲まで途切れなく代表曲を積み上げてきたキャリアは、K-POPの中でも限られたグループにしか許されないもので、今回の始球式起用もそうした知名度の広がりを背景にしたものといえる。
韓国のプロ野球、KBOリーグでは、試合前の始球式に歌手や俳優、スポーツ選手などの著名人を招くのが定着した文化になっている。単なる余興ではなく、球団が集客とファン層の拡大を図る重要な演出のひとつと位置づけられており、人気アイドルグループのメンバーが登板する日は、普段は野球場に足を運ばない層がチケットを求めることも珍しくない。始球式の映像はその日のうちに切り抜きとして拡散され、球団にとってもアーティストにとっても接点を広げる場となっている。ジゼルにとっては初めての経験であり、その意味でも注目度は高い。
今回の舞台となる高尺スカイドームは、韓国で唯一の本格的なドーム球場として知られる屋内施設で、キウム・ヒーローズが本拠地としている。天候に左右されない構造から、野球の試合だけでなくコンサートなどの大型公演の会場としても頻繁に使われてきた。aespaがここで単独コンサートを開いたのも、そうしたドーム球場ならではの使われ方によるものだ。同じ空間が、ある日はステージ、ある日はグラウンドとして機能する。ジゼル本人が「感慨深い」と表現したのは、まさにこの一つの会場が持つ二つの顔を、短い期間に自分の身で経験することになったからだろう。ステージ側から見た客席と、マウンドから見上げるスタンドでは、目に映る景色がまるで違う。
対戦相手のサムスン・ライオンズは、キウム・ヒーローズと同じKBOリーグに所属する球団だ。試合開始は26日午後6時30分で、韓国のプロ野球でよく見られる平日ナイターの時間帯にあたる。始球式は試合開始前に行われるのが通例のため、ジゼルがマウンドに立つのはこの時刻の直前ということになる。
日本の読者にとって、KBOリーグの試合は必ずしも身近な存在ではないかもしれないが、K-POPアーティストの始球式は、SNSや動画配信を通じて国境を越えて話題になることが多い。とりわけaespaのように日本を含む海外に多くのファンを抱えるグループの場合、当日の様子を伝える写真や映像への関心は韓国国内にとどまらない。球団側もジゼルの写真を提供しており、告知の段階から視覚的な発信が行われている。
aespaにとって、2020年のデビュー以来積み重ねてきた楽曲群は、そのままグループの歩みを示す記録でもある。「Black Mamba」で世に出て、「Next Level」で一気に大衆的な認知を獲得し、その後も「Supernova」「Armageddon」「Whiplash」と話題曲を継続的に送り出してきた。最新の「LEMONADE」まで、ヒットの連鎖が途切れていないという事実は、グループが一過性のブームではなく持続的な存在感を築いてきたことを物語る。高尺スカイドームでの単独コンサート開催も、その規模を裏づける出来事のひとつだった。
今回の始球式は、そうした音楽活動の延長線上にありながら、アーティストとしてのステージとは異なる場面での露出となる。歌やパフォーマンスではなく、一球を投じるという単純明快な行為で観客と向き合う。ジゼル自身が「とても緊張している」と語った通り、経験のない場での挑戦であることに変わりはない。だからこそ、コメントの締めくくりが自分の出来栄えではなく「すべての選手が怪我なく素晴らしい試合を」という言葉だった点は、当日の球場の空気を穏やかなものにするだろう。
26日の高尺スカイドームには、野球を見に来た観客とジゼルを見に来た観客が同居することになる。キウム・ヒーローズとサムスン・ライオンズの一戦がどのような展開をたどるかは試合が始まってみなければ分からないが、その前の数分間、マウンドに立つ一人のアイドルが、コンサートを行ったばかりの同じ屋根の下で新しい記憶を刻むことは確かだ。ジゼルにとって初めての始球式が、どんな一球になるのか。当日の様子は、韓国メディアやファンの発信を通じて、日本のファンのもとにも届くことになりそうだ。





