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画家キム・テヒの音楽企画「シンディ」、6作目のデジタルシングル発表

キム・テヒ写真: キム・テヒ — Sangjinhwa / Public domain
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絵画の制作を続けてきた視覚芸術家のキム・テヒ作家が、音楽プロジェクト「シンディ(Cindy)」名義で6作目となるデジタルシングル『再び花開いた瞬間』を発表した。韓国の文化専門メディア「シーワンニュース」が9月9日に伝えた。キャンバス上で扱ってきた感情や記憶、内面の風景を音という別の媒体に移し替える試みで、視覚芸術と音楽の接点を探る活動の延長線上に置かれた一作となる。

シンディという名前は、西洋画家キム・テヒの絵画をもとに展開される音楽プロジェクトのアーティスト名である。つまり、まったく別人の歌手が登場したわけではなく、絵を描いてきた作家本人が、音楽の場では別の名義を用いているという構図だ。実際、音源プラットフォームのアーティスト紹介欄でも、シンディは「画家キム・テヒの絵画を基盤に音楽へと拡張されるArtist Cindyプロジェクト」と説明されている。作品の署名としての「キム・テヒ」と、音を発表するときの「シンディ」が、ひとつの創作世界の二つの入口として並んでいる形になる。

キム・テヒ
写真: キム・テヒ — LGEPR (LG Electronics, see also http://blog.lge.com/) / CC BY 2.0

今回公開された『再び花開いた瞬間』も、この枠組みの中で生まれた楽曲だ。出発点にあるのは、作品に添えられた作家のステートメントである。そこから立ち上がるイメージと情緒を音楽へ移す際、シンディはひとつの物語を直接的に説明することを選ばなかった。代わりに置かれたのが、余白と雰囲気、そして感情の流れだった。曲はその三つを軸に構成されている。物語を語り切るのではなく、聴き手が入り込む隙間を残す。そうした設計思想が、タイトルの静かな響きとも重なっている。

シンディの音楽を貫くのは、抑制されたサウンドと静かなリズムである。音数を積み上げて感情を押し出すのではなく、むしろ引き算によって、聴く人がそれぞれの記憶や感情を曲の中に思い浮かべられるようにすることに焦点が置かれている。ここには、絵画で培われた発想がそのまま持ち込まれている。絵画において色や画面の余白が感情を伝えるものであるならば、音楽ではその役割を音色とリズム、そして音と音のあいだにある空間が引き受ける。塗り残された画面と、鳴らされなかった間。異なる媒体でありながら、感情の運び手として同じ位置を占めているという理解が、この楽曲の土台になっている。

こうした活動の性格について、シーワンニュースは、既存の美術活動とは切り離された新しい分野への進出というよりも、ひとつの創作世界を異なる媒体へ翻訳していく過程である点に意味があると伝えている。画家が余技として音楽を始めた、という単純な話ではないということだ。キム・テヒ作家は、絵画の中で形づくられてきた感情の線をサウンドへと拡張し、視覚と聴覚のあいだを行き来する作業を続けている。キャンバスの前に立つときも、音を組み立てるときも、扱っている対象は同じ感情であり同じイメージである。ただ、それを差し出す方法が絵の具と音とで分かれているにすぎない、という立場である。

今回が6作目のデジタルシングルであるという事実は、この試みが一度きりの実験ではないことを示している。単発の話題作りであれば、ここまで作品を重ねる必要はない。継続してリリースを積み上げてきたこと自体が、絵画と音楽を並走させるという方針の一貫性を裏づけている。今後もシンディ・プロジェクトを通じて、絵画と音楽を独立したジャンルとして区分するのではなく、ひとつの感情とイメージを絵とサウンドという異なる方式で解きほぐしていく作業が続けられる予定だという。

日本の読者にとって、この種の活動はやや説明を要するかもしれない。韓国では近年、芸術家が自身の作品世界を複数の媒体にまたがって展開する事例が紹介される機会が増えており、シンディの試みもその文脈の中に置かれている。デジタルシングルという発表形式は、アルバム単位ではなく一曲単位で音源を配信するもので、制作から公開までの間隔が短く、作家が自分のペースで作品を積み上げていくのに適している。展覧会という発表の場を持つ画家が、それとは別の周期で音を出し続けることができるのも、この形式ゆえである。音源プラットフォーム上でアーティスト名「シンディ」として登録されていることは、絵画の観客とは異なる層に作品が届く可能性を意味している。

報道の中で繰り返し強調されているのは、直接的な説明を避ける姿勢である。歌詞や構成で物語を提示してしまえば、聴き手の解釈の幅は狭まる。それを避け、余白と雰囲気を優先することで、同じ曲が聴く人ごとに違う記憶を呼び起こす。この考え方は、絵画作家としてのキム・テヒが画面の余白に託してきたものと地続きにある。作品のステートメントを起点に据えながら、その内容を音で言い直すのではなく、ステートメントが持っていた情緒だけを音の側へ運ぶ。『再び花開いた瞬間』というタイトルもまた、具体的な出来事を指し示すというより、聴き手それぞれの中にある「再び花開いた」記憶を呼び込む器として機能するよう置かれている。

記事を掲載したシーワンニュースは、慶尚北道英陽郡に本社を、同道青松郡に編集報道本部を置くメディアで、2022年4月28日に登録、同年5月10日に最初の発行を行っている。発行人は李英愛(イ・ヨンエ)氏、編集人は今回の記事を執筆した金大鉉(キム・デヒョン)記者が務めている。記事に添えられた写真は、Artist Cindyプロジェクト側から提供されたものである。地域に根ざした媒体が、絵画と音楽を横断する個人作家の活動を継続的に追っている点も、この報道の性格を示している。今後、シンディの名で7作目以降がどのように積み重ねられていくのか、そして絵画作品との往復がどのような形をとるのかが注目される。

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