『フォーハンズ』第8話、キム・ジュホン演じる恩師がイ・ジュニョンと抱擁
写真: イ・ジュニョン — Marie Claire Korea / CC BY 3.0tvNの土日ドラマ『フォーハンズ』(原題:포핸즈)の第8話が9月20日に放送され、キム・ジュホンが演じるピアノ教師のト・ヒョンスが、イ・ジュニョンが演じるチェ・ジョンヨと再会し、抱き合う場面が描かれた。ト・ヒョンスはかつてチェ・ジョンヨにピアノを教えた師であり、行方不明になった教え子を長く捜し続けていた人物だ。ようやく対面を果たした場面で、ト・ヒョンスは自分を覚えていないと答えるチェ・ジョンヨに礼を述べ、抱擁を求めた。韓国メディアのニューセンが同日、この放送内容を伝えている。
場面はト・ヒョンスがチェ・ジョンヨを訪ねるところから始まる。ト・ヒョンスは「チェ・ジョンヨ、私が分かるか。君にピアノを教えていたト・ヒョンスだ」と声をかけた。これに対しチェ・ジョンヨは「すみません」とだけ返し、記憶喪失を演じ続けた。ト・ヒョンスはそれでも「ありがとう。本当にありがとう。一度だけ抱きしめてもいいか」と言い、チェ・ジョンヨを抱きしめた。相手が自分を覚えていないという前提のまま、恩師の側だけが再会を喜ぶという、ねじれた形の抱擁だった。

ト・ヒョンスはその後、これまでの経緯を明かしている。「すまない。あまりに遅く訪ねてきて。新しい環境に適応している最中で大変だろうに、私まで慌ただしくさせてしまう気がして、ただ待っていた」と、すぐに会いに行かなかった理由を語った。さらに「君が失踪してから、ユン代表としばらく君を捜し回った。修道院にいるとは考えもしなかった」と続けている。つまり劇中のチェ・ジョンヨは失踪後、修道院で過ごしていたことになる。ト・ヒョンスとユン代表が捜索していたという事実も、この場面で初めて語られた。
チェ・ジョンヨが「どうしてそこまで」と尋ねると、ト・ヒョンスは自分の後悔を口にした。「君は私がとても大事にしていた教え子で、結局君をあそこへ送り出したのも私だったから。最初に君がコンクールに出ると言って訪ねてきたとき、早く止められなかったのが申し訳なかった。ひとりで音楽をきちんとやっていた子を引き込んでしまって。ずいぶん後悔した。こんなに立派になって戻ってきてくれてありがとう」。教え子をコンクールへ送り出したことが失踪につながったという負い目が、長い捜索と、遅れて訪ねてきた理由の背景にあることが示された形だ。
続けてト・ヒョンスは「ビオと共演したいと言ったそうだな」と切り出す。チェ・ジョンヨが「演奏の映像を見て、息が合いそうだと思った」と答えると、ト・ヒョンスは「記憶もないのに感覚なのか。本能に導かれたのか。高校のとき、アンサンブルの本当に良いパートナーだった」と返した。そのうえで「うまく説得して舞台に戻してくれたらいい。ビオがしばらくスランプでつらい思いをしていたのは、君も知っているだろう」と、カン・ビオのことをチェ・ジョンヨに託している。記憶がないはずの相手に「知っているだろう」と語りかけるこの一言は、ト・ヒョンス自身がチェ・ジョンヨの記憶喪失を疑っている可能性もにじませる場面となった。カン・ビオを演じるのはソン・ガンだ。
『フォーハンズ』は、音楽の天才たちが集まる芸術高校を舞台に、若者たちの友情と愛、競争と成長を描く作品だ。脚本はシン・イウォン、演出はパク・ヒョンソクが担当し、制作はスタジオドラゴン、スタジオN、ナムアクターズが手がけている。放送はtvNで、土曜と日曜の夜9時10分から。2026年8月29日に始まった。物語の中心にいるのが、ソン・ガン演じるカン・ビオとイ・ジュニョン演じるチェ・ジョンヨの2人だ。そもそも2人は、ピアノ教師のト・ヒョンスが出した課題によって、1台のピアノを一緒に弾く「フォーハンズ」のパートナーになった。つまり今回抱擁を交わしたト・ヒョンスは、この物語の起点にいる人物ということになる。
ここに至るまでの流れを整理しておきたい。チェ・ジョンヨは父の債権者たちに追われ、行き場を失って街をさまよっていた。その危機の中で、転校を勧めてくれた韓国芸術高校の理事長ユン・ソンジュ(ソ・ジェヒ)の名刺を取り出して助けを求め、ユン・ソンジュはすぐに手を差し伸べる。これをきっかけに韓国芸高へ転校したチェ・ジョンヨはカン・ビオと出会い、フォーハンズの舞台を完成させ、ピアニストとしての本格的なデビューまでこぎ着けた。
しかしデビュー後の平穏は長く続かなかった。第3話では、幼い頃にコンクール当日の客席で母を失った記憶から、チェ・ジョンヨが舞台恐怖症を抱えていることが描かれた。カン・ビオはろうそくを前に置いて練習する方法や屋外での路上演奏を提案して支え、2人は路上公演を成功させる。ところが正式な公演当日、チェ・ジョンヨは舞台で再び固まり、その場を飛び出してしまう。カン・ビオはひとり舞台に残された。9月6日に放送された第4話では、チェ・ジョンヨが高利貸しの事務所を自ら訪ね、血まみれになった父チェ・ギテク(ソン・ノジン)と対面する場面が描かれている。公開されたスチールには、凄惨な姿の父を見つけて凍りつくチェ・ジョンヨと、高利貸しのキム室長(キム・ミン)の前にひざまずく姿が収められていた。
9月12日放送の第5話では、カン・ビオがチェ・ジョンヨに「一緒にコンクールへ出よう」と持ちかける。断ろうとするチェ・ジョンヨを、カン・ビオは友人としての頼みだと押し切り、チェ・ジョンヨも受け入れた。背景には、祖父にあたるカン・スンウン(チョン・ジニョン)が孫のカン・ビオではなくチェ・ジョンヨの実力だけを認めたという衝撃があった。そして同じ第5話で、チェ・ジョンヨは国際コンクールに出場している最中に何者かに拉致される。演奏用の衣装のまま人けのない森を走り、追う男に銃口を向けられるという展開だった。この事件は、チェコの国際コンクールで起きたものとして描かれている。ト・ヒョンスが今回「君をあそこへ送り出したのも私だった」と悔やんだのは、この出来事を指している。
拉致を境に、17歳だった2人の縁は途切れた。生死も分からなかったチェ・ジョンヨが指揮者として突然世界の舞台に現れ、2人の縁は再びつながる。カン・ビオはチェ・ジョンヨが死んだと聞かされ、幻覚を見るほど深い後遺症に苦しんでいた。9月19日午後9時10分に放送された第7話では、その2人が9年ぶりに韓国芸術高校で顔を合わせる。かつてピアノを一緒に弾き、練習を重ね、一日の大半をともに過ごした校舎での再会だったが、公開されたスチールには喜びの代わりに冷たい空気が流れていた。国際ニュースはこの変化を、親しい友人から「冷たい宿敵」へと表現している。iMBC芸能は、カン・ビオに向けるチェ・ジョンヨの鋭い視線や、カン・ビオをひとり残して背を向けるチェ・ジョンヨの姿がスチールに写っていると伝えた。第7話で線を引いたチェ・ジョンヨが、第8話では恩師の抱擁を記憶喪失を装ったまま受け止めた、という並びになる。
作品の話題性も高い。グッドデータコーポレーションが9月15日に発表した9月第2週のTV・OTTドラマ出演者「FUNdex(ファンデックス)」話題性ランキングで、イ・ジュニョンが話題性シェア8.40%で1位となった。2位も同じく『フォーハンズ』からソン・ガンで、7.79%だった。この週はヒョンビン、ソン・イェジン、コン・ヒョジン、ソ・ガンジュンといった俳優も上位10人に入ったが、いずれもイ・ジュニョンより下の順位だった。8月第4週の同社調査でも、イ・ジュニョンとソン・ガンが話題性1位・2位を占めている。なお、イ・ジュニョンは現在兵役中で、9月13日には全羅北道長水郡で開かれた「第20回長水韓牛と林檎祭り」のステージに陸軍第35歩兵師団の軍楽隊として立っている。
劇中の演奏シーンについては、制作陣が公式YouTubeチャンネル「tvN DRAMA」で「フォーハンズ ピアニストインタビュー」と題した映像を公開している。ソン・ガンとイ・ジュニョンが演奏シーンに備えてレッスンを受ける様子が収められ、2人を指導したピアニスト本人が舞台裏を語る内容だ。紹介文には「5話の演奏曲のネタバレを含む」という注意書きが添えられていた。
ト・ヒョンスを演じるキム・ジュホンは、同じtvNの土日ドラマ『星がウワサするから』(原題:별들에게 물어봐)にも出演している。無重力の宇宙ステーションを舞台に、遠征隊長のイブ・キムと、巨額の費用を払って乗り込んできた宇宙旅行客コン・リョンを描いた作品で、コン・ヒョジンとイ・ミンホが主演を務めた。2025年1月4日から2月23日まで全16話が放送され、Netflixでも配信されている。共演はオ・ジョンセ、イ・エル、イ・チョヒ、ハン・ジウン、アレックス・ハフナー、ホ・ナムジュンら。宇宙ステーションの科学者たちと地上の管制センターを行き来する構成の作品だった。
『フォーハンズ』の残る見どころは、チェ・ジョンヨがいつまで記憶喪失を演じ続けるのか、そしてト・ヒョンスに託されたカン・ビオの説得がどう進むのかという2点に絞られてきた。ト・ヒョンスはチェ・ジョンヨにカン・ビオを舞台へ戻すよう求めており、この依頼が9年前に断たれた2人の関係にどう作用するかが焦点になる。第7話で冷たく背を向けた相手との共演を、チェ・ジョンヨ自身が望んでいると語った点も含め、次の展開が待たれるところだ。tvNの土日ドラマ枠で、放送は毎週土曜と日曜の夜9時10分から。





