チソン、JTBCの経営難に言及「厳しい時期に最善を尽くしてくれた方々に格別な思い」
写真: チソン — 뉴스인스타 / CC BY 3.0俳優チソンが、出演したJTBC土日ドラマ「アパート」(韓国題『아파트』、邦題「マンションのお仕事」)の最終回放送を前に終映の感想を寄せ、その中で放送局であるJTBCが直面している経営難にあらためて触れた。感想が伝えられたのは2026年8月16日で、同日午後10時30分に第12話が放送され、全12話の物語に幕が下りた。共演のハ・ユンギョン、パク・ビョンウン、ムン・ソリもそれぞれコメントを出している。
「アパート」は、マンションに眠る金を手に入れようと入居者代表会議の会長選挙に打って出たオアシス派の元ボス、パク・ヘガン(チソン)が、住民たちとともに不正を打ち破っていく姿を描いた作品だ。当初はマンションの長期修繕引当金を狙っていた元ボスが、物語が進むにつれてその積立金を守る側に回っていくという構図が軸になっている。脚本はキム・ユニョン、演出はチョ・ヨンウォン。JTBCの土日ドラマ枠で2026年7月11日から8月16日まで放送され、配信はNetflixが独占で担った。
チソンはまず「最後まで一緒に見守ってくださった視聴者の皆さまに深く感謝いたします」と切り出した。続けて役柄について、「パク・ヘガンに近づいていく中で、毎日通り過ぎる階段、顔だけ知っている隣人、何も考えずに行き来していた廊下のような、ありふれたものを、何かを守るためにじっくり見つめるようになった。失う危機を前にして初めて、その平凡さが実はどれほど大切なものだったかに気づき、演じながら同じことを感じた」と語った。さらに「もしかするとありきたりな話かもしれないが、生きていくうえで最も大切なものは、もともとありきたりな顔をして私たちのそばにあるのではないかと思う」とも述べ、作品を通して得た実感を言葉にしている。
チソンはキム・ユニョン脚本家とチョ・ヨンウォン監督、制作陣、そして共演の俳優たちへの感謝を表したうえで、JTBCの経営難についても言及した。JTBCは2026年6月12日、206億ウォン規模の流動化借入金を返済できず、債務不履行(デフォルト)を宣言した。その後、中央グループの系列会社とともに企業再生手続きを申請している。JTBC側は自律構造調整支援(ARS)を申請し、ソウル再生法院がこれを受け入れたため、手続きは今月30日まで保留されている状態にある。
こうした状況を踏まえ、チソンは「いろいろな意味で厳しい時期に最善を尽くしてくださったJTBC関係者の皆さまには、より格別な思いが湧く。『アパート』が受け取った過分な愛が、その方々にとっても再び立ち上がる小さな力になっていることを心から願う」とコメントした。放送局が企業再生手続きの渦中にある中で作品を送り出した現場の事情に、主演俳優が公の場で触れた形になる。
視聴率の面では、決して順風満帆な航海ではなかった。初回は4.6%でスタートし、4話で6%を突破したものの、5話からは下降傾向に転じた。以降は4〜5%台のボックス圏に収まり、同時期に放送されていた週末ミニシリーズの中では最も低い数字にとどまっていた。それでも作品は最終回まで走りきり、出演陣はそろって視聴者への感謝を口にしている。
知的な洞察力と芯の強い魅力を備えたカン・ハリ役で痛快な活躍を見せたハ・ユンギョンは、「『アパート』は、良い人たちが集まって良いドラマを作ろうと努力した作品」と振り返った。カン・ハリは弁護士志望で、劇中ではパク・ヘガンの偽の妻となる役どころだ。ハ・ユンギョンは「劇中でヘガンが『すごく良いアパート』を作ろうとしたように、私たちのドラマが視聴者の皆さまに小さな笑いと幸せをお届けできたなら、その目標を果たせたのではないかと思う」と語り、「遅い週末の夕方に私たちの『アパート』を訪ねてくださった大切な視聴者の皆さまに、心から感謝いたします。皆さまがいる場所がどこであれ、いつも安全と幸せが共にありますように」とあいさつした。
高潔さと狂気を併せ持つ最強の悪役イ・チュンウォンを演じたパク・ビョンウンは、「最初に台本を読んだとき、全体のストーリーが本当に良く、イ・チュンウォンというキャラクターに大きな魅力を感じた」と明かし、「夢中になって読んだ作品に出演することができ、とてもうれしく光栄だった」とキャラクターへの深い愛情をのぞかせた。続けて「いつも作品が終わるときは名残惜しく寂しいが、今回の『アパート』はとりわけ長く思い出しそうだ」「たくさん愛してくださった皆さまに感謝し、皆さまの心に少しでも残る作品になれば、俳優として幸せだと思う」と付け加えている。
あふれる情熱でトゥルーバリューを守るチャン・スクジン役を務めたムン・ソリは、「ドラマ『アパート』をご覧いただき、責任感いっぱいのトゥルーバリュー守護者『チャン・スクジン』を愛してくださり、心から感謝いたします」と述べた。そのうえで「近いうちにまた良い作品で、しかしまったく違う姿でごあいさつします」と、次の活動への意欲もにじませた。
日本の読者にとっては、「アパート」という題材そのものが韓国社会の身近な争点であることも押さえておきたい。作中で焦点となる長期修繕引当金は、住民が積み立てるマンションの共有財産であり、それを狙う側から守る側へと転じる元ボスという設定が、群像劇の推進力になっている。実に多彩な住民たちの姿が話題を呼んだ点も、この作品の特徴だ。全12話とコンパクトにまとまっており、Netflixの独占配信という形で世界に届けられた。
主演のチソン、共演のムン・ソリ、ハ・ユンギョン、パク・ビョンウンという顔ぶれがそろった「アパート」は、放送局が企業再生手続きに直面するという異例の状況下で最終回を迎えることになった。JTBCのARSによる保留期限は今月30日まで。数字の上では同時期の週末ミニシリーズで最下位という結果に終わったが、主演俳優が現場スタッフへの感謝と局の再起を願う言葉を残したことは、この作品の終わり方を象徴している。






