ヒョンビンに気づかなかった子ども、母親が撮影写真を公開
写真: ヒョンビン — John Sears / CC BY-SA 4.0韓国の俳優ヒョンビンが、街で出会った小学生ほどの子どもたちに気づいてもらえず、代わりに「カメラマン役」として記念撮影を引き受けた場面が反響を呼んでいる。その子どもの母親がSNSに投稿し、ヒョンビンが撮ってくれた写真そのものと、後から撮影者の正体を知ったときの気持ちを明かした。OSENの記者キム・スヒョンが2026年9月4日午後9時30分付で伝えたもので、韓国のオンライン上では放送の翌日以降も笑いを誘う話題として広がっている。
きっかけは9月1日に放送されたSBSのバラエティ番組『暇さえあれば、』(原題:틈만 나면,)だった。この回にはユ・ジェソク、ユ・ヨンソクとともに、「隙友だち」としてヒョンビンとウ・ドファンが出演し、京畿道・安養(アニャン)のあちこちを訪ね歩いた。四人が移動している最中、小学生ほどの年齢の子どもたちが一行に気づき、ユ・ジェソクとウ・ドファンの顔を見分けて写真撮影を頼んできたという。

ところが、そこで思いがけない展開になる。子どもたちがヒョンビンだけは分からなかったのだ。ユ・ジェソクとユ・ヨンソクがヒョンビンを指さして有名な俳優だと説明したものの、子どもたちは「そうなんですか?」と聞き返した。トップスターにとっては、なかなか味わうことのない「知名度の屈辱」である。結局ヒョンビンは、子どもたちと一緒に写真に収まる代わりに、自ら携帯電話を受け取ってカメラマン役を買って出た。ヒョンビンが、自分に気づかなかった子どもたちのために、ユ・ジェソク、ユ・ヨンソク、ウ・ドファンとの記念写真をシャッターを押して撮ってあげるという珍しい光景が広がった。
放送の後、そのときヒョンビンに撮影を頼んだ子どもの母親が、自らその後日談を語った。母親は最近、SNSでヒョンビンが撮ってくれた写真を公開し、「夏休み最後の日! おばあちゃんとのランチの約束に向かう道で、とんでもない幸運が」と当日の状況を振り返っている。子どもにとっては、休みの最終日に祖母と食事へ向かう、ごくふつうの一日だったわけだ。
母親は続けて「まだ幼い子どもなので、言い間違いもしたし、しどろもどろでしたが、大目に見ていただけたら」と書き添え、「忘れられない思い出をつくってくださった制作陣の皆さん、出演者の皆さん、ありがとうございます」と感謝の言葉を残した。とくに注目を集めたのが、「カメラマンの正体を知って、母は……」という一文だ。母親はそこに涙の絵文字を添え、自分の子どもに写真を撮ってくれた人物がヒョンビンだったと後から知ったときの反応をにじませている。
ただし、放送を見た人たちが予想したであろう「母親の後始末」はなかったという。母親は「それでも背中スマッシュはありませんでした」と、機転の利いた一言を付け加えて笑いを誘った。「背中スマッシュ(등짝 스매싱)」とは、韓国で母親が子どもの背中を平手でたたく仕草を指す言い回しで、あきれたときや叱るときの定番の表現として使われる。ヒョンビンに気づかなかった子どもの純粋な反応に続き、遅れてカメラマンの正体を知った母親の愉快な後日談まで重なり、放送の外でも笑いが続く形になった。なお、OSENの記事に使われた写真は「SNS、틈만나면」がクレジットとされている。
『暇さえあれば、』は、ユ・ジェソクとユ・ヨンソクが「トゥーユーMC」を務めるSBSのバラエティ番組で、ゲストとともに街へ出て、人々の隙間時間を探して回るという構成になっている。ヒョンビンとウ・ドファンが登場した回は第56話にあたり、タイトルは「ヒョンビン×ウ・ドファンの情熱MAX 安養(アニャン)の隙間攻略」。9月1日火曜の夜9時に本放送された。SBSの公式サイトでは同じ日付で、この回の場面を切り取ったクリップ映像も公開されている。放送局が公開したクリップの説明では、ヒョンビンが「練習のときとは違い、本番のゲームに入ると時間がかかることにもどかしさを見せる」と紹介されており、街の人との撮影エピソードだけでなく、ゲームに苦戦する姿もこの回の見どころになっていた。
この日の放送では、ヒョンビンの家庭人としての一面も伝えられている。四人は最初の「隙の主」に会うため歩いて移動しながら、それぞれの近況を語り合った。その流れの中でヒョンビンは、子どもが生まれてからは家族での休暇をできるだけ大切にしていると明かしている。移動中の何気ない会話から出た話で、作品で見せる姿とは異なる素顔がのぞく場面となった。この内容は9月2日付で「ヒョンビン、家族との時間を語る『息子のためにどこへでも』」として報じられている。番組の性質上、街を歩きながらの雑談がそのまま見どころになるため、ヒョンビンのように普段バラエティでの露出が多くない俳優にとっては、素の表情が出やすい場でもある。
ヒョンビンの近作としては、Disney+で配信されたドラマ『メイド・イン・コリア』(原題:메이드 인 코리아)がある。激動の1970年代を舞台に、富と権力への野望を抱くペク・ギテと、彼を止めるためにすべてを投げ打った検事チャン・ゴニョンが、時代を貫く大きな事件と向き合う姿を描いた作品だ。ヒョンビンとチョン・ウソンがそれぞれの役を演じ、チョ・ヨジョン、チョン・ソンイル、ソ・ウンス、ウォン・ジアンらが加わった。演出は『インサイダーズ』『南山の部長たち』のウ・ミンホが手がけている。2025年12月24日からDisney+で全12話が配信され、第62回百想芸術大賞では、ヒョンビンがテレビ部門男性最優秀演技賞を受賞した。重厚な時代劇で最高の演技賞を手にした俳優が、バラエティの街歩きでは子どもに気づいてもらえず、そのままカメラマンに回るという落差が、今回の話題が広く共有された理由でもあるだろう。
韓国では、バラエティ番組で芸能人が街に出て一般の人と接する企画が定番として親しまれており、その場に居合わせた人が後日SNSに写真や感想を投稿することで、放送後にもう一段話題が広がるという流れがしばしば起きる。今回のケースも、放送で描かれた「気づかれなかったトップスター」という場面に、当事者側の視点が加わったことで話が一巡した形だ。子どもの母親が制作陣と出演者への感謝を述べ、あくまで温かい後日談として締めくくったことも、受け止められ方を穏やかなものにしている。
日本の読者にとっては、ヒョンビンといえば映画やドラマでの役柄を通じて知られる存在だが、こうした街中でのやり取りからは、番組づくりの空気や、俳優本人の気さくな一面がうかがえる。『暇さえあれば、』の該当回については、SBSの公式サイトで場面を切り取ったクリップ映像が公開されている。ヒョンビンとウ・ドファンが安養の街を巡った第56話は、ゲームでのもどかしさ、家族についての語り、そして子どもたちとの偶然の出会いと、複数の表情が詰まった回になった。






