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K-POPにブラジリアン・ファンクの波、ATEEZやENHYPENが相次ぎ導入

ENHYPEN写真: ENHYPEN — BELIFT LAB / Public domain
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韓国の音楽業界で、ブラジル発のリズムを土台にした楽曲が相次いで発表されている。ATEEZ(エイティーズ)の「BAD」、ENHYPEN(エンハイプン)の「Bloody Paradise」、KATSEYE(キャッツアイ)の「Hootie Frutti」など、2025年の夏から秋にかけて発表された話題曲の多くが「ブラジリアン・ファンク」と呼ばれるジャンルを取り入れており、ショートフォーム動画との相性の良さも重なって、K-POPの音作りの潮流そのものが動きつつある。朝鮮日報が9月8日付で報じた。

象徴的なのがATEEZの「BAD」だ。K-POP業界では最近、「ATEEZのサンが胸を弾ませるたび、シンハン・ベンチャーが笑う」という冗談めいた言い回しが交わされているという。シンハン・ベンチャーが投資した音楽制作会社KQエンタテインメント所属のATEEZが、この曲に登場する5秒ほどの振り付けでショートフォーム市場を席巻したためだ。パワフルでありながら断続的な裏拍で高揚感を生むブラジリアン・ファンクを骨格にした楽曲で、その独特な打楽器リズムに合わせてメンバーのサンが胸だけを「ドンドン」と弾ませる振り付けが爆発的な人気を集めた。ミュージックビデオのYouTube再生回数は先月、5000万回を超えている。

ENHYPEN
写真: ENHYPEN — Ten Asia / CC BY 3.0
ATEEZ
写真: ATEEZ — K-POPIT 케이팝잇 / CC BY 3.0

そもそもブラジリアン・ファンクとは何か。日本の読者には耳慣れない名前かもしれないが、ブラジル式の打楽器リズムを1分あたり120〜150回前後という速いテンポで畳みかけていく音楽で、「バイレ・ファンキ」とも呼ばれる。ブラジル・リオデジャネイロのスラム街とダンスパーティー文化のなかで発展した電子ダンスミュージックのジャンルだ。ここに、荒々しい金属的な打撃音が際立つ「フォンク(Phonk)」を組み合わせた「ブラジリアン・フォンク」も脚光を浴びている。つまり現在のK-POPで起きているのは、ブラジルのダンスフロアで育った速いリズムと、韓国のアイドル音楽が持つ強烈な群舞が結びつくという現象である。

ENHYPENの動きも大きい。先月21日に発表したミニ8集「THE SIN : BLISS」のタイトル曲「Bloody Paradise」も、ブラジリアン・ファンクをベースにしたダンス曲だ。禁じられた愛に落ちたヴァンパイアと人間の恋人、そして彼らを追う追跡劇を、ブラジリアン・ファンクの荒く速いリズムで表現した。そして先月30日、ENHYPENはこのアルバムでデビュー6年目にして米ビルボードのアルバムチャート「ビルボード200」で初めて1位を獲得している。ENHYPENはこれに先立ち、ミニ7集のタイトル曲「Knife」もブラジリアン・ファンクに再編曲して披露していた。一過性の実験ではなく、グループの表現の軸として繰り返し用いられていることが分かる。

ガールグループのKATSEYEは先月14日、ブラジリアン・フォンクを加味した「Hootie Frutti」を発表した。強い金属的な打撃音に、反復的でありながら中毒性のある裏拍を前面に押し出したこの曲は、米ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」に31位で初登場した。TOMORROW X TOGETHER(TXT)は先月、日本で発表したシングル「Setsuna Hanabi」にブラジリアン・ファンクを接ぎ木した。別れを目前にした恋人の感情を扱った叙情的な曲に、速く荒いブラジリアン・ファンクのリズムを重ねるという変奏を見せている。バラード的な情感と激しいリズムを同居させる試みで、日本市場向けのシングルにこの手法が使われた点も、ジャンルの広がりを示している。

さらに、ブラジルの現地アーティストと直接手を組む例も出てきた。NMIXX(エンミックス)は、ブラジルのポップスターであるパブロ・ヴィッタルと昨年コラボレーション曲「MEXE」を、今年は「TIC TIC」を発表した。それぞれブラジリアン・ファンクとフォンクのリズムを混ぜ合わせ、賑やかな祝祭の雰囲気を作り出している。ジャンルを借りてくるだけでなく、その土地の歌手とともに作るところまで進んでいるわけだ。

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こうした流れの背景には、K-POPそのもののトレンドの変化がある。最近のK-POPでは、清涼感のある音色のシンセポップ(シンセサイザー・ポップ)と耳に残るメロディーを前面に出した「청량돌(清涼+アイドル)」の人気が落ち着き、肉体的な魅力と強烈な群舞を押し出した、いわゆる「짐승돌(獣+アイドル)」が再び台頭している。ブラジリアン・ファンクの浮上は、こうした流れと噛み合っているという見方だ。激しいリズムは、力強いパフォーマンスを見せるグループにとって格好の土台になる。

もう一つの要因が、ショートフォーム動画との親和性である。ブラジリアン・ファンクの短く反復的なフック(曲の中毒性を生み出す区間)は、とりわけショートフォームの空間でK-POPのパフォーマンスと相性が良い。評論家のイム・ヒユン氏は「ブラジリアン・ファンクは短いリズムの単位を絶えず反復し、予想しないところに打撃音を差し込んで数秒で耳をつかむ」と述べ、「一曲全体より短い『キリングパート』が繰り返し消費されるショートフォーム時代に有利だ」と指摘した。このジャンル的特性にK-POP特有の強烈な振り付けを乗せれば、10〜20秒のチャレンジ動画だけでも曲の印象を刻み込みやすいということだ。実際、昨年BLACKPINKのジェニーが発表した「like JENNIE」は、ブラジリアン・ファンクとフォンクを混ぜた金属的なビートの上に短く反復的なラップと振り付けを組み合わせ、ショートフォームで大きな話題を集め、世界的なヒットにつながった。自身の名前を冠したこの曲の独創的な振り付けを、ジェニーはブラジリアン・ファンクのリズムに乗せて表現していた。

世界の音楽市場において、ブラジリアン・ファンクそのものの規模も急速に大きくなっている。TikTokの集計によると、今年2〜5月にヨーロッパ全域で「#brazilianfunk」の投稿は直前の4カ月と比べて34%、「#brazilianphonk」の投稿は62%増加した。またSpotifyが今年3月に出した報告書では、2025年の年間ロイヤルティ5000万ドル以上を稼いだジャンルのうち、ブラジリアン・ファンク(+36%)、K-POP(+31%)、ラテン・トラップ(+29%)、ラテン・アーバン(+27%)、レゲトン(+24%)などが高い成長率を示した。数字の上で見れば、K-POPとブラジリアン・ファンクの結合は、世界の音楽市場で収益性が急成長している二つのジャンルの出会い、ということになる。

日本の音楽ファンにとっても、この変化は決して遠い話ではない。TXTが日本発売のシングルにこのリズムを取り入れたように、日本向けの楽曲にも同じ潮流が及んでいる。ATEEZの「BAD」のようにミュージックビデオのYouTube再生回数が5000万回を超え、ENHYPENがビルボード200で初の1位を獲得し、KATSEYEがホット100に31位で入るなど、成果は具体的な数字として表れている。ショートフォームで数秒のうちに耳と目をつかむ設計が、そのままチャートの結果に結びついている構図だ。今後、ブラジル現地のアーティストとの協業が増えるのか、あるいは別のリズムへと関心が移っていくのか。いずれにせよ、当面はこの速い打楽器のビートが、K-POPの新曲を聴くときの一つの手がかりになりそうだ。

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