『ドクターX』の5・18描写、主演キム・ジウォンのSNSに批判コメント
写真: キム・ジウォン — Kim Ji-won / CC0SBSの金土ドラマ『ドクターX:白いマフィアの時代』で主人公の外科医ケ・スジョンを演じるキム・ジウォンのインスタグラムに、作品の内容を理由にした非難のコメントが相次いでいる。きっかけは、10月24日に放送された第6話で1980年の5・18民主化運動を物語に取り入れたことだ。中央日報が27日、韓国の放送界の話として伝えた。
キム・ジウォンのアカウントには、「左派ドラマだったのか」「これから作品を不買する」「公人なら個人の政治的な傾向は控えろ」といった書き込みが寄せられた。ファンを名乗りながら「好きなファンだけれど、5・18の内容には失望した」と不満を書いた人もいた。一方で、「なぜ俳優のSNSでこんなことをするのか」とキム・ジウォンをかばう声もある。作品への批判を出演俳優一人に向けるのは行き過ぎだ、という反応も出ている。

問題になった第6話には、ハ・ソングァン演じるオ・サンボムという患者が登場した。1980年の光州で頭を撃たれ、それ以来ずっと後遺症に苦しんできた人物だ。他社の報道によると、オ・サンボムは幼いころに兄を亡くした衝撃と罪の意識を抱えて生きてきた。頭の中に残った銃弾のせいで、激しい痛みや幻覚に襲われている。その手術を担当するのが、キム・ジウォン演じる天才外科医ケ・スジョンだ。劇中では、オ・サンボムの頭に残る銃弾の破片が、当時の戒厳軍によるヘリコプターからの射撃を裏付ける証拠として語られた。
この回には、1980年の光州の惨状を思い起こさせる回想シーンもあった。ケ・スジョンら登場人物が518番のバスに乗り、国立5・18民主墓地へ向かう場面もある。放送の終盤では、チョン・ドゥファン元大統領を連想させる架空の人物、チ・ドゥソク元大統領が意識不明の状態で病院に運び込まれた。医療ドラマの手術のストーリーに、歴史上の悲劇とそれが残した傷を結びつけた構成だった。
視聴者の受け止め方は分かれた。医療ドラマに歴史的・政治的な題材を組み合わせたやり方が不自然だと批判する人がいる。逆に、国家暴力の被害者が抱える苦しみに光を当てたと評価する人もいる。他社の報道は、5・18民主化運動は特別法や国家記念日を通じて歴史的な意味が公式に認められた出来事だと説明した。そのうえで、被害者の後遺症を描いたことを政治的な偏りと決めつけるのは行き過ぎだという指摘を紹介している。同じ報道は、争点は5・18という史実そのものではなく、それをドラマの中でどう表現し、どう解釈したかにあると整理した。
反発はキム・ジウォンのSNSだけにとどまらない。韓国国会の国民同意請願の掲示板には、「SBS ドクターX ドラマ放映中止に関する請願」が登録された。請願を出した人が問題にしているのは、日本の原作ドラマになかった5・18関連の内容が韓国版に加えられた点だ。「特定の政治的立場を示すためのこじつけだ」と主張し、放送の中止と、制作陣を国会に証人として呼ぶことを求めた。他社の報道によると、放送審議に関わる機関による検討も要求している。
この請願は、公開前に必要な賛成100人の条件を満たした。25日の時点で、国会が公開するかどうかを検討する段階に入っている。ただし、これは請願が正式に公開されるための事前の手続きにすぎない。国会が放送中止の要求を受け入れたわけでも、実際に放送を止める手続きが始まったわけでもない。
SBSは今回の件について公式な立場を示していない。そこで注目を集めているのが、制作会社スタジオSのイ・オクギュ責任プロデューサー(CP)の投稿だ。イCPは第6話が放送された24日、自身のSNSにドラマのポスターとともに「no fear(恐れはない)」という言葉を投稿した。論争を意識したメッセージだと受け取る人もいるが、イCPは投稿の意味を説明していない。今回の論争に向けたものかどうかは確認されておらず、請願への公式な対応と見ることもできない。
論争とは別に、視聴率は伸びている。第6話の視聴率はニールセンコリア調べの全国世帯で19.5%となり、本作の最高を更新した。第4話の18.5%から、さらに数字を上げたことになる。
作品への批判が出演者個人に向かったケースは、最近ほかにもあった。9月に公開された映画『암살자(들)』(暗殺者たち)は歴史歪曲の論争に巻き込まれ、主演のユ・ヘジンに非難が集まった。一部のネットユーザーは、ユ・ヘジンが出演する広告映像に悪質なコメントを書き込み、広告契約の解除を求めた。自宅の前では抗議の集会まで開かれ、ユ・ヘジンは身辺保護を要請したと伝えられている。
『ドクターX:白いマフィアの時代』は、日本のドラマを原作とするメディカル・ノワールだ。実力だけで医師とは何かを証明しようとする外科医ケ・スジョンが、「ドクターX」と呼ばれながら、腐敗した医療界の権力構造に切り込んでいく。共演はイ・ジョンウン、ソン・ヒョンジュ、キム・ウソクら。脚本はピョン・ソングン、演出は『悪鬼』『VIP』などを手がけたイ・ジョンリムが担当している。当初は9月25日に始まる予定だった。しかし秋夕の連休とアジア競技大会の中継で編成が変わり、10月期の作品として組み直された。
キム・ジウォンにとっては、2024年の『涙の女王』以来、約2年ぶりの新作だ。初めての単独主演作でもある。『涙の女王』は最高視聴率24.9%を記録した。劇中でケ・スジョンがよく口にするのは「私は失敗しません」というせりふだ。これまでの放送で話題になった場面も多い。第3話では、病院の医師たちがそろって尻込みした開頭クリッピング術を成功させた。手術は失敗すると言い張った神経外科の教授2人を、エレベーターでやり込める場面もあった。チャン・スンジョ演じる外科医ナ・デイルの登場も注目を集めた。海外でも反響があり、10月16日には香港、マレーシア、フィリピンのNetflixのTV番組部門で1位になった。香港では5集計日続けて首位を守った。
キム・ジウォンは、ケ・スジョンと自分の共通点として「仕事のとき以外は少し抜けている」と語っている。国内の視聴率でも海外の配信でも好調が続くなかで、劇中の描写をめぐる議論が主演俳優個人のSNSにまで持ち込まれた形だ。今後は、請願が正式に公開されるかどうか、そしてSBSや制作陣が何らかの説明をするかどうかが焦点になる。
原文:“앞으로 작품 불매”…5·18 다룬 ‘닥터X’에 김지원 악플 테러






