ハヨンの曽祖父論議、作家の起用宣言や日韓の応酬に拡大
천정환 기자/(C) 毎日経済バラエティ番組での「4代続く医師の家系」という紹介から始まった女優ハヨンの曽祖父をめぐる論議が、芸能界の話題にとどまらず、文化界の行動や独立運動家の子孫の証言、さらには日韓の歴史認識をめぐる応酬にまで広がっている。メイル・エコノミー系のMKスポーツが8月14日に報じた。
中心にいるのはハヨンの曽祖父、故アン・サンホ(安商浩、1872〜1927)である。ハヨンは8月7日に放送されたバラエティ番組で、曽祖父から祖父、父、そして姉まで4代にわたって医師が続く家系だと語り、曽祖父については「漢陽で初めて西洋医学の医院を開業し、高宗皇帝を診察したこともある」と紹介していた。家族の歴史を誇る何気ない語りだったが、放送後にこの曽祖父が誰であるかが特定されると、日本統治期の行動をめぐる指摘が一気に広がった。とりわけ親日組織とされる大正親睦会(テジョンチンモクフェ)での活動歴が明らかになったことが、論議を決定的なものにした。ハヨンはその後、「過ちを重く受け止め、子孫として心よりおわびする」と頭を下げている。



この謝罪で収まるかに見えた騒動は、しかし文化界の具体的な行動へと形を変えた。ドラマ『トンネル』『別れが去った』などを執筆した脚本家ソ・ジェウォンが14日、俳優チェ・ブラム(独立運動家の故チェ・チョル氏の子息)に言及したうえで、「国と社会が独立闘士の子孫たちを輝かせることができないのなら、つたない文章でだけでもその方々を輝かせて差し上げたい」と宣言したのである。さらにソ氏は「独立闘士の子孫に対する礼遇と尊敬は、親日派の子孫とは必ず区別されなければならない」と述べ、「今後、私の作品には無条件で独立闘士の子孫の方々をキャスティングする」と明言した。特定の俳優個人の問題から、作品づくりにおける起用方針の表明へと踏み込んだ発言であり、大きな反響を呼んでいる。
独立運動家の子孫からも、痛切な言葉が続いた。独立運動家ソン・ギジュ氏の外曽孫にあたるイ・インチョル弁護士は放送を通じ、ハヨンの家族に向けて上海の大韓民国臨時政府と独立記念館を訪れるよう呼びかけ、涙を流した。イ弁護士は「独立運動家たちは血の涙を流しながら獄中生活を送り、家族を犠牲にしたが、子孫たちの暮らしは今も苦しい。反対に親日派の子孫たちは代を重ねて羽振りよく暮らしている」と述べ、歴史的な正義が逆転した現実を強く批判した。個人の家系自慢として始まった話題が、独立運動家の子孫が置かれた境遇という長年の課題を改めて浮かび上がらせた形だ。
論議が拡大するなかで、日本の保守系メディアも参戦した。日本の媒体はハヨンを擁護する立場から、「韓国が親日派の子孫に緋文字を刻んでいる」「現代版の連座制だ」といった批判を展開した。これに対し、誠信女子大学のソ・ギョンドク教授は「強制動員の歴史をわい曲し、独島を自分たちの土地だと言い張る国が、他国を批判する資格があるのか」と反論し、「日本メディアは正しい歴史認識をまず備え、恥を知るべきだ」と強い調子で批判した。芸能人一人をめぐる話題が、日韓双方のメディアが応酬する国際的な争点にまで発展したことになる。
韓国のネット上の反応も熱を帯びている。ネットユーザーからは「単なる家系自慢だと思っていたが、親日残滓の清算と独立闘士の礼遇の問題として公論化されたのは非常に意味のある流れだ」「ソ・ジェウォン作家の『独立軍の子孫を優先してキャスティングする』という信念を全面的に支持する」「加害国である日本のメディアが連座制を云々して口出しする態度に憤りを感じる」といった声が上がっている。MKスポーツは、バラエティ番組で何気なく口にした「4代の医師の家系」という自慢が、芸能界を越えて文化界と歴史、そして国際的な問題にまで手に負えないほど広がり、巨大な蝶の羽ばたき効果を生んでいると伝えた。
この間、ハヨン個人にも影響が及んでいる。8月16日に韓国メディアOBCニュースが報じたところによると、ハヨンは13日、SBSの新ドラマ『勝算あります』の撮影の途中で突然涙を流し、感情を抑えられなくなった。現場の撮影はしばらく中断されたが、数時間ほど休んで落ち着きを取り戻し、撮影現場に戻って予定されていたスケジュールをこなしたという。論議が本格化してからわずか3日後の出来事だった。作品自体は継続して制作が進められている。
さらに、5年以上前のSNS投稿にまで検証の目が向けられている。話題になっているのは、2021年1月9日にハヨン本人が自身のインスタグラムに投稿した「生涯初の韓服 楽しかった撮影」という一文だ。この投稿にはKBS2のドラマ『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』の撮影現場で撮った写真が添えられており、写真のハヨンはテンギ髪に結い、ピンクのチマと水色のチョゴリを身につけてカメラを見つめている。当時のハヨンは28歳だった。投稿された当時は撮影現場の何気ない裏話として流れていったものだが、曽祖父アン・サンホをめぐる親日行為の指摘が広がったことで、この一文がまったく異なる文脈で読まれる状況が続いている。投稿自体は現在も検索で確認でき、8月17日午前、オンラインコミュニティ「TheQoo」に午前11時43分に上がった書き込みをきっかけに再び拡散し始めた。
ハヨンは現在、Netflixで配信中の作品にも出演している。8月7日に配信が始まった『恋は飴模様』(原題・이런 엿 같은 사랑)では、チョン・ヘインとともに主演を務めている。記憶を失ったソウル中央地検の検事コ・ウンセと、自分は恋人だと言い張るボクシングコーチのチャン・テハを軸に、元やくざという過去を持つ男と汚職を追ってきた検事の同居生活を描くロマンティックコメディで、チョン・ヘインがテハを、ハヨンがウンセを演じる。演出は『マイ・デーモン』のキム・ジャンハン、脚本はモ・ジヘが担当した。全12話のNetflixオリジナル作品で、ホ・ソンテ、キム・ヨンオク、チャン・ヘジンら実力派が脇を固めている。飴の里の場面は慶尚北道醴泉郡の金塘室村で撮影された。ハヨンはこのほか、2025年1月24日に配信が始まったNetflixの『トラウマコード』(全8話)にも出演しており、同作にはチュ・ジフン、キム・ウィソン、キム・ソニョン、ユン・ギョンホ、チュ・ヨンウ、チョン・ジェグァンらが名を連ねている。
一連の経緯を時系列で追うと、発端は8月7日のバラエティ番組での発言であり、その後に曽祖父の特定と大正親睦会での活動歴の判明、ハヨンの謝罪と続いた。13日には撮影現場で涙を流す出来事があり、14日には脚本家ソ・ジェウォンによる起用方針の宣言と、イ・インチョル弁護士の証言、日本メディアの参戦とソ・ギョンドク教授の反論が重なった。16日にはiMBC芸能が、ハヨンをめぐる家族史の問題、ドラマ演出家アン・パンソク監督の訃報、BTSのV(ヴィ)による聴力低下の告白を、その週の三つの主要イシューとしてまとめている。17日には5年前のSNS投稿が再拡散し、検証の対象は現在進行形の言動から過去の記録へと広がった。
日本の読者にとって注目されるのは、この論議が俳優個人への批判にとどまらず、キャスティングという制作現場の判断や、独立運動家の子孫に対する国の礼遇のあり方といった、より広い問題として語られている点だろう。MKスポーツは、芸能界を揺るがした後の嵐が、文化・社会全般の歴史的な覚醒運動へと広がっていると伝えている。ハヨン本人の謝罪後も議論は収束しておらず、出演中および撮影中の作品への影響を含め、今後の展開が引き続き注目される。






