チョン・イルウ、デビュー20年で山岳映画祭の審査委員に
俳優のチョン・イルウが、韓国で開催中の第11回蔚山蔚州世界山岳映画祭(UMFF)で、アジアコンペティション部門の審査委員を務めている。本人が9月20日、自身のSNSアカウントに「UMFF 蔚山蔚州世界山岳映画祭」と記し、映画祭の会場で撮影された複数枚の写真を公開して明らかにした。俳優としてデビューしてから20年という節目の年に、作品に出る側ではなく作品を審査する側として映画祭に関わることになった形だ。
公開された写真で目を引いたのは、チョン・イルウが自ら写して見せた名札だった。そこには「Jung Il-woo 정일우 アジアコンペティション審査委員」と記されており、ゲストや来賓としての訪問ではなく、正式に審査の役割を担って現場に入っていることが一目で分かるようになっている。本人がその名札をあえて画面に収めているあたりに、この肩書きに対する受け止めがうかがえる。
写真: チョン・イル — LG전자 / CC BY 2.0写真には映画祭での複数の場面が収められている。タキシードを着てフォトウォールの前に立つ公式行事の一コマがある一方で、ラフな装いで会場内を見て回る姿もある。さらに、屋外でヘッドホンを装着したまま作品を鑑賞する様子も公開された。審査委員として出品作と静かに向き合う場面であり、華やかなレッドカーペットの写真とは異なる、真剣な表情が切り取られている。
蔚山蔚州世界山岳映画祭は今年で11回目を迎えた。会期は9月18日に開幕し、22日まで。会場は蔚州郡の嶺南アルプス複合ウェルカムセンター一帯で、山岳地帯の自然環境そのものを舞台に据えた映画祭として開かれている。チョン・イルウが担当するのは、その中のアジアコンペティション部門だ。部門名が示す通りアジアの作品を対象とした競争部門で、審査委員はここに出品された作品を見て評価する役割を担う。
日本の読者にとっては、韓国の映画祭というと釜山などの大規模な総合映画祭が思い浮かびやすいが、蔚山蔚州世界山岳映画祭は「山岳」というテーマを掲げた専門性の高い映画祭にあたる。屋外での上映やセンター一帯を使った運営など、都市型の映画祭とは違う雰囲気を持つ。チョン・イルウが屋外でヘッドホンを着けて鑑賞している写真は、まさにそうした映画祭の性格を映したものと言える。
チョン・イルウは2006年のMBC作品『거침없이 하이킥』(コチムオプシ・ハイキック)で出発し、以後さまざまな作品を通じて俳優としての活動を重ねてきた。今年はそのデビューから20年にあたる年で、今回の審査委員就任はこの節目とちょうど重なった。長く俳優として画面の前に立ち続けてきた人物が、作品を選び評価する立場に回るという意味で、キャリア上の新しい一歩となる。
また、この知らせが注目を集めている背景には、彼が健康面で長く不安を抱えてきたという事情もある。チョン・イルウは最近、脳動脈瘤と診断された後、長期間にわたって追跡検査を受け続けてきた事実をあらためて打ち明けていた。きっかけは軍入隊前のことで、ひどい頭痛に悩まされて病院を訪れたところ、脳動脈瘤と診断されたという。
当時の心境について、チョン・イルウは「いつ自分が死ぬか分からないという不安感」を覚えたと語っている。その後、サンティアゴ巡礼路を歩いた経験が自分の人生を大きく変えるきっかけになったとも明かした。診断によって突きつけられた不安と、その後に自ら歩いた道のりが、俳優としての活動とは別のところで彼の考え方に影響を与えてきたことになる。
現在の健康状態については、「完治というものはない」としながらも、長い期間にわたって追跡検査を受け続けた末に、医療陣から今はもう安全だという話を聞いたと伝えている。病気そのものが完全に消えてなくなる類のものではないという前提を本人が冷静に受け止めたうえで、経過観察の積み重ねが一つの区切りを迎えたという説明だ。
健康をめぐる大きな不安を経験しながらも本業を絶やさずに続けてきたチョン・イルウが、デビュー20年という年に、俳優という枠を超えて映画祭の審査委員という領域に足を踏み入れた。今回の第11回蔚山蔚州世界山岳映画祭は22日までの日程で、彼はその期間、アジアコンペティション部門の審査委員として会場に立ち会うことになる。本人がSNSを通じて自ら現場の様子を発信していることからも、この役割に前向きに向き合っている姿勢が伝わってくる。










