ソン・ジュンギの結婚で注目された多文化家族支援、韓国で再び議論に
写真: ソン・ジュンギ — Song Joong-ki / Public domain韓国の経済紙イーデイリーは11月3日、記者コラム「記者手帳」で多文化家族への支援制度を取り上げた。俳優ソン・ジュンギの結婚をきっかけに注目されたテーマで、コラムは「支援」と「優遇」を分けて考えるべきだと主張している。イ・ジェミョン大統領が、多文化家族による公共産後調理院の優先利用と保育園入所時の加点について、妥当かどうかを相次いで問題にした。コラムによると、約3年前にソン・ジュンギをめぐって出た問いが、これで再び注目されている。
コラムは同紙のイ・ジヒョン記者が書き、11月3日午前5時50分に掲載された。小見出しは2本ある。「共働き200点・多文化共働き300点…保育園入所加点が論争に」と「必要な支援は手厚く、限られた公共サービスの優先権は合理的に」だ。韓国を代表するトップ俳優の名前を入り口にして、福祉政策のあり方を問う内容になっている。

話は2023年にさかのぼる。この年、ソン・ジュンギはイギリス出身のケイティ・ルイーズ・サンダースと婚姻届を出した。人気俳優の結婚として話題になる一方、思わぬ関心も集まったとコラムは振り返る。外国出身の配偶者を迎えて「多文化家族」となったソン・ジュンギも、政府の支援を受けられるのかという疑問だ。
コラムによると、当時は一部のメディアがソン・ジュンギの財産規模にまで触れながら、多文化家族向けの支援制度を紹介した。ただしコラムは、ソン・ジュンギの家族が実際に恩恵を受けたという意味ではないと、はっきり書いている。それでもこの一件は、制度の対象をどこまで認めるのかを問うきっかけになったとしている。
つまり、ソン・ジュンギの名前は「本人が支援を受けた」という話で出てくるのではない。「経済的に余裕のある家庭でも、多文化家族であれば制度の対象になり得るのか」という論点を示す例として使われている。トップスターの結婚が、福祉制度の線引きという芸能とは別のテーマを考える材料になった形だ。
それから3年近くたった今、同じ問いが再び持ち上がった。きっかけはイ・ジェミョン大統領だ。大統領は、多文化家族が公共産後調理院を優先的に使える点と、保育園の入所で加点を受けられる点について、適切かどうかを相次いで問題にした。産後調理院は、出産後の母親が体を休める施設で、韓国では広く利用されている。その公共施設を誰が優先して使えるかが、論点の一つになっている。
コラムが具体的な数字を挙げているのは保育園の入所基準だ。現行の基準では、共働き家庭は200点、多文化家族で共働きでもある家庭は300点を得られる。多文化家族という資格には、別の所得基準が設けられていないためだという。同じ共働き家庭でも、待機の順番を決める点数に100点の差がつく仕組みだ。
多文化家族の資格に所得基準がないという点は、ソン・ジュンギの結婚のときに出た「対象をどこまで認めるのか」という問いと重なる。所得にかかわらず、多文化家族であれば加点の対象になり得ることが、改めて議論の中心になっている。
とはいえ、コラムは多文化家族への支援そのものを否定しているわけではない。結婚移民者が直面する言葉の壁や社会的な孤立、子どもの教育や保育の問題は、個人の努力だけで解決するのは難しいと指摘している。二言語教育や韓国語教育、生活の定着支援は、むしろ細やかに行う必要があるという立場だ。
そのうえでコラムが強調するのが、「支援」と「優先権」の区別だ。言語教育は、必要な人にサービスを届けるという問題だ。これに対し、保育園や公共産後調理院の優先利用は、限られた枠を誰に先に割り当てるかを決める問題だという。ある家庭に優先権を与えれば、ほかの家庭の待機順位に影響が出る可能性があるからだ。
コラムの整理に沿えば、両者は性質が違う。教育や定着支援は、手厚くするほど必要な人に届く。一方、定員が決まっている施設の順番では、誰かを前に出せば、その分だれかが後ろに下がる。同じ「多文化家族への政策」でも、この二つを同じ物差しで測れないというのがコラムの考えだ。
コラムは、多文化家族全体を経済的に余裕のある集団とみなすことにも注意を促している。所得が高くても、言葉や子育ての面で困難を抱えることはある。所得の低い一般家庭にも、切実に支援が必要な家庭はある。家族の国籍や出身だけで支援の必要性を決めつけることはできない、というのがコラムの見方だ。
ソン・ジュンギの例は、「裕福な多文化家族まで優遇されるのはおかしい」という単純な議論につながりやすい。しかしコラムは、多文化家族をひとくくりに豊かな層とみなす見方も同じように危ういとする。国籍や出身という属性ではなく、それぞれの家庭の実情を見るべきだと訴えている。
では、政府はどうすべきか。コラムは、多文化家族への支援を一律に減らすことも、今の制度をそのまま続けることも答えではないとする。実際の利用状況と待機の需要を確かめたうえで、所得、養育環境、言語支援の必要性などを踏まえて優先順位を設計すべきだと提言している。そして、必要な支援は手厚くしながら、限られた公共サービスの優先権にはそれに見合う理由が必要だと結んでいる。
このコラムの問いは、ソン・ジュンギの結婚当時と大きくは変わっていない。違うのは、今回は大統領自身が公共産後調理院と保育園の入所加点を名指しで問題にしたことだ。2023年の議論は、人気俳優の結婚に付随した話題という色合いが強かった。今回は、同じ論点が政策の場で取り上げられている。
今後、制度の見直しが議論されるなら、コラムが挙げた点が軸になるだろう。所得基準のない加点をどう扱うか、言語教育や定着支援のような「支援」と、限られた枠を配る「優先権」をどう切り分けるか、そして国籍や出身ではなく個々の家庭の事情をどう反映させるか、である。ソン・ジュンギの名前は、その議論の出発点を示す例として、再びコラムに登場した。
原文:[기자수첩] 송중기도 다문화가족…지원과 우대는 구분해야






